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ともに育つ・育む|インフルエンザの予防接種

毎年、秋から冬に流行するインフルエンザ。 予防接種は効果的であるとされているが、ワクチンの効果や副作用について心配なママのために大阪はびきの医療センターの橋本章司先生にお話を伺いました。

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Q.インフルエンザ予防接種はどのくらい効果があるの?

 ワクチンによる予防が有効な感染症には、麻疹、風疹、B型肝炎などがありますが、その効果と比較するとやや低く、個人差があります。原因としてあげられるのは、インフルエンザウイルスは変異しやすく、流行するウイルスの型が年によって変わる点と、個体がその型のウイルス感染の既往があるのか判断ができないからです。そのため、免疫力の低い子どもはしっかりと抗体を作るために2回接種が推奨されています。また、インフルエンザワクチンの効果には、①個人単位では感染後の発熱などの症状を軽減する効果、②集団単位では集団免疫効果(80%以上の人が接種することで集団全体での感染予防効果を示し、体質などの問題でワクチン接種ができない人の感染リスクも減少させる)などが証明されています。

Q.予防接種は何歳から?また、効果的な時期はいつ?

インフルエンザワクチンの添付書類上は何歳でも接種できることになっていますが、生後6ヵ月前の赤ちゃんは免疫力が十分でないため、抗体ができにくい可能性が高いと考えられています。また、6ヵ月を過ぎても1歳頃までは抗体の産生が年長児よりも悪く、接種しても罹患することが多いため、日本小児科学会は1歳以上での接種を推奨しています。効果は十分には見込めないかもしれませんが、1歳未満でも集団生活をする子については、他に感染を予防する有効な方法がないことを考えれば接種をしておく方が良いでしょう。また、予防接種の効果が持続するのは、接種した2週間後から約5ヶ月程度とされています。インフルエンザの流行は、毎年12月頃からはじまり、1月から3月にピークを迎えることが多いため、接種後の効果が発揮されるまで2週間かかるのを考慮して、10月から11月に受けることが理想的です。2回の接種が必要な13歳未満の方は、間隔を1〜4週程度空ける必要があるので、遅くても12月中旬までの接種をおすすめします。ただ12月中旬を過ぎてしまった場合も、予防効果がないわけではないので、積極的に予防接種を受けましょう。

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Q.卵アレルギーがあっても予防接種は受けられる?

卵アレルギーをお持ちの方でも接種可能と言えます。海外の報告では、ほとんどの卵アレルギー患者さんにおいてインフルエンザワクチンでのアレルギー反応は起こりにくく、安全に接種可能と考えられますが、100%全身性のアレルギー反応(蕁麻疹、喘鳴など)が起こらないわけではありません。しかし日本のワクチンではさらに卵成分の含有量は少なくなっており、より安全と思われます。以前は接種前にワクチンで皮膚検査や、分割での接種を行っていましたが、最近の報告では検査や分割の有用性はないとされています。

Q.副作用の危険性は?

ワクチンは免疫力をつけるために接種するものですが、それ以外の反応(①接種した場所に起こる副反応、②全身の副反応、③重篤な副作用)を起こすことがあります。しかし、副反応は一般的に軽微な症状です。①接種した場所に起こる副反応では、接種を受けた人の10~20%の人で、注射をした箇所が赤くなる、腫れる、熱を持つ、痛くなることがありますが、これらの症状は通常2、3日で消失します。②全身の副反応では、接種を受けた人の5~10%の人に発熱、悪寒、頭痛、嘔吐、下痢、倦怠感、めまい、リンパ節の腫れなどの症状が起こることもありますが、これも通常は2、3日で消失します。③重篤な副反応には、アナフィラキシー症状(非常に強いアレルギー反応で気道が狭くなったり、血圧が低下する)、肝機能障害や黄疸、喘息発作などがありますが、非常に稀ですので、過剰に心配する必要はありません。インフルエンザにかかった場合の合併症(特に脳症・脳炎)の予防のためにも、ワクチン接種をしておくことは大切です。

風邪とインフルエンザの違いを教えて!

症状をよく見て早めの対応を心がけよう!

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教えてくれたのは...

大阪はびきの医療センター 臨床研究センター主任部長
橋本 章司 さん
大阪大学医学部附属病院での呼吸器疾患と免疫・アレルギー疾患の診療と研究、院内感染対策の業務と研究の後、平成25(2013)年に現在の大阪はびきの医療センターに異動し、①臨床研究センターでの感染症診断検査の開発、②感染対策チームとしての院内~地域単位の感染対策の推進、③感染症内科での診療に取り組んでいる。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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