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子どもの歯について|ともに育つ・育む!

歯磨きはいつから?フッ素の効果は? 子どもの歯にまつわる疑問や、歯磨きや歯医者さんを嫌がる 子どもへの対処法などを大倉賢郎先生に伺いました。

子どもの歯が虫歯になりやすい原因は?

子どもが虫歯になる原因は、「歯の質」「糖質」「細菌」。この3つの要因が重なって虫歯になります。乳歯は永久歯に比べてやわらかく、酸に弱いため虫歯になりやすいのですが、生えたばかりの永久歯も未成熟で歯の表面が粗く、汚れがつきやすいため注意が必要です。

虫歯になりやすい乳歯は生えはじめからのケアが大切

乳歯が生える時期は生後6~9カ月頃ですが、乳中切歯(にゅうちゅうせっし)と呼ばれる下あごの前歯から生え始めるパターンが多いので、歯が生える前から意識しておきましょう。おっぱいやミルクを飲ませた際に指にガーゼを巻いてお子さんのお口の中をぬぐうようにお掃除してあげましょう。幼い頃から口の中を清潔に保つことに慣れさせておくことで、乳歯が生えてきた際も、比較的スムーズに歯磨きの習慣が身につきやすくなります。

歯磨きを嫌がる原因は " 痛み " と " 恐怖 "

子どもが歯磨きを嫌がる原因は、「痛み」と「恐怖」です。上の前歯の中央部にある「すじ(ヒダ)」のことを上唇小帯といいますが、仕上げ磨きの時に、この上唇小帯に歯ブラシが当たると、とても痛いので指の腹で優しく押さえるようにして磨いてあげましょう。また、動かないように押さえつけながら仕上げ磨きをすると、子どもは恐怖を感じてしまいます。なるべくママやパパの顔が見えるような姿勢で、やわらかい表情を見せるように試してみてください。また、いろいろなフレーバーの歯磨き粉を用意し、選ばせてあげるのもおすすめです。自分でお口をゆすげるようになったら、歯磨きを始める前に一緒に歯磨き粉を選びに行くことで、歯磨きタイムが楽しみになるかもしれません。

乳歯と永久歯が混在する12歳頃までは親が仕上げ磨きを

乳歯が永久歯に生え変わる期間は6~12歳頃まで。この期間は乳歯と永久歯が混ざりあっています。この混合歯列期にしっかり歯磨きをしておかないと、永久歯が虫歯になるリスクが高まります。混合歯列期は、生えたばかりの永久歯や抜けそうでグラグラしている乳歯、すでに乳歯が抜けてしまった部分が混在していて、歯の大きさや位置にバラつきがあり、汚れがつきやすく、歯磨きがしにくい時期です。そのため混合歯列期にしっかり歯磨きをしておかないと、永久歯が虫歯になるリスクが高まるのです。

柔らかい乳歯の時期こそフッ素塗布が効果的

フッ素塗布を始めるタイミングは上下の歯がそれぞれ4本ずつ生えそろってきた頃がおすすめです。おおむね1歳半程度で上下4本の歯が生えそろってくるので、1歳半になった頃からフッ素塗布を考えてあげましょう。フッ素にはエナメル質を修復する働き(再石灰化効果)や、歯の質を強くする働き、そして虫歯菌を弱める働きがあり、虫歯予防に大変効果的です。特に生えたばかりの乳歯はやわらかく、フッ素を効果的に取り込みやすいので、乳歯の時期にフッ素塗布をすることが推奨されています。

おやつは食べる種類と食べ方に注意して

虫歯を予防するためには、歯磨きだけではなく、食生活や生活習慣の見直しも必要です。食事をして酸性に傾いた口中を唾液が中和する時間が必要なため、唾液が出るように、よく噛むことが大切です。ただし、時間を決めずに食べ物を何度も口にする「だらだら食べ」はよくありません。子どもにとって、おやつは大切な食事の一部なので、食べることには問題ありませんが、チョコレートや飴など糖分が多く含まれるものはできるだけ控えましょう。飲み物もジュースやスポーツドリンクよりも、お茶や牛乳などを選びましょう。

歯を磨く頻度(平成28年、1歳以上対象)

楽しく磨ける方法を考えて幼少期から歯を磨く習慣を つけましょう。

※厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査結果」より作成

教えてくれたのは… 

大倉歯科医院 院長
大倉賢郎 先生

大阪歯科大学卒業後、神戸や和歌山の歯科医院を経て2014年大阪デンタルクリニック院長に就任。2019年、祖母が開院した大倉歯科医院を母から受け継ぎ、院長として勤務。60年以上続く医院の歴史を大切に、子どもや歯科治療に不安のある方も安心できる「患者の立場にたった治療」を提供。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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