1歳半健診と3歳児健診医師チェックするポイントは?
1歳6か月児健康診査では身体の発育や運動面の発達をメインに診査します。身長・体重・頭囲を測定して発育状態を確認し、ひとり歩きができるか、言葉が出ているか、耳の聞こえの様子、精神面では指差しがあるかなどを確認します。3歳児健診では、身体測定のほかに、尿検査・耳の聞こえの検査・目の検査、歯科医師による歯の診察もあります。また、階段の上り下りができるのか、言葉がどれだけ出ているのか、数が理解できているのかを確認し、そして同年齢の子に興味を持つのかなど、社会性の発達も診ていきます。
●1歳6か月児健康診査
〈身体面〉
月齢相応の身長・体重に成長しているか
〈言語面〉
有意語があるかどうか
〈情緒面〉
言葉を理解し、指差しなどのコミュニケーションが取れるか
アイコンタクトをとり、他者への興味があるかどうか
●3歳児健康診査
〈身体面〉
月齢相応の身長・体重に成長しているか
〈言語面〉
自分の名前や年齢が言えるか
色の名前がわかるか
〈情緒面〉
ごっこ遊びができるか
同年齢の子と遊ぶことができるか

経過観察と診断された場合みてもらえる場所は?
健診を受けた保健センターで保健師や心理士に定期的にみてもらうことができます。また、必要があれば病院受診を勧められることもあります。病院の受診先は、かかりつけ医または、保健センターなどで相談されると良いでしょう。かかりつけ医で難しい場合は発達専門外来を受診しても良いでしょう。経過観察はあくまで「現在では予測がつかない」ということです。どうして経過観察になったのかを説明してもらい、何に気をつけるべきかを医師に聞いておくと安心です。また、普段の生活の中で気になったことはメモに残しておき、次回の健診時に医師へ質問できるようにしておきましょう。
健診で指摘されなくても気になる場合は相談を。
健診のときには何も言われなくても、気になることがある場合や、保育園や幼稚園の先生に指摘されて心配がある場合は、相談をおすすめします。反対に健診で指摘されたけれど親は気にならないという場合でも、経過観察になった理由があるので相談に行かれることをおすすめします。

負担だと感じる場合は個別健診を打診して
例えば、明らかに発達の遅れがあるなど、集団健診を受診すること自体がお子さまと親御さんのストレスになってしまう場合、かかりつけ医に相談すれば個別に健診を受けることも可能です。ただし、料金が発生する場合もあるので事前に確認をしてから受診するようにしましょう。

より良い親子関係の第一歩。悩む前に相談を
「発達障がい」という言葉の認知が社会的に広がったことで受診の機会が増え、診断に至るというケースが増えています。「発達障がい」の診断がつくか否かは受診してみないとわかりませんが、「この子は他の子と違うのでは」と日々思い悩むよりも、園や学校の先生に対応の仕方を教わったり、医療機関を受診したりして、我が子との関わり方を知る手立てを得ることで、親子間のコミュニケーションがより良い方向に進むきっかけになることもあります。「発達障がい」と診断を受けるためだと思わずに、子どもとのより良い関わり方を知るために受診されることをおすすめしています。
1歳6か月児・3歳児健康診査の健診内容
実施場所・期間は、自治体からの案内で確認し、忘れずに健診を受けましょう。

教えてくれたのは…

さくらキッズくりにっく院長
藤井明子 先生
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年東京都世田谷区「さくらキッズくりにっく」を開院。子どものすべてをみるクリニックを目指し、子どもだけではなく両親の子育ての悩みにも寄り添った発達外来診療を行う。