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子どものインフルエンザ予防|ともに育つ・育む

インフルエンザが流行する季節。 今年は新型コロナウイルスの流行に伴い 予防・対処法に変化はあるのでしょうか。 羽田敦子先生にお伺いしました。

毎年流行するインフルエンザ かかりやすさに個人差は?

この季節、ママたちの頭を悩ませるインフルエンザ。毎年かかってしまうお子さんもいれば、かかったことがないというお子さんもおられるでしょう。インフルエンザは飛沫感染し、鼻の粘膜で増えます。このとき、鼻の粘膜が弱いお子さんは繰り返しかかりますが、そうでない子はかかりにくいようです。鼻汁、唾液などに多く含まれる分泌型IgA(免疫グロブリンA)は、粘膜免疫で中心的な役割を果たしている抗体です。この抗体の分泌能力が高いお子さんはウイルスを撃退する能力が高いと考えられます。

インフルエンザの疑いがあれば迷わずに受診しましょう

今年は新型コロナの影響もあり、自宅で様子をみよう、というママもおられるかもしれません。しかし、インフルエンザの疑いがあるなら、迷わずに受診したほうがいいでしょう。日本では、小児は新型コロナウイルスによって重篤化したり、命を落とす危険性はほとんどないといえます。むしろ、インフルエンザで入院や重症化する確率のほうがはるかに高いのです。インフルエンザと診断されれば、抗ウイルス薬により通常のインフルエンザ罹患より1.5日熱が下がるのが早くなります。1日も早く解熱するほうが、肺炎などの合併症も起こしにくくなります。

新型コロナウイルスの流行はインフルエンザの流行に影響する?

一つのウイルスが流行るとほかのウイルスが流行しないことはよくある現象です。過去5年間のインフルエンザ患者推計値を見てみると、最も多かった2017~2018年シーズンは1400万人を超えていました。しかし、2019~2020年シーズンは新型コロナの影響で、定期的な発表は例年より早い4月10日までで終了しています。この時点で728.5万人と、昨シーズンの同時期と比べて、約450万人減りました。現在、冬の南半球では、インフルエンザは流行していません。今年は新型コロナが流行しているため、日本でも今冬のインフルエンザの流行はほとんどないのではないかと予想されます。

インフルエンザワクチンは安全性の高いワクチン

インフルエンザワクチンの接種は任意のため、接種するかどうか、迷われる方もおられると思います。日本では1960年から集団免疫による社会防衛を目的にして、学童集団接種を実施しましたが、有効性に疑問が強まり、1994年に中止となりました。しかし中止した後、多数の幼児がインフルエンザ脳炎などで命を落としました。インフルエンザワクチンの効果は、ワクチン接種を受けた高齢者は死亡の危険が1/5に、入院の危険が1/3から1/2にまで減少することが期待できるとされています。最近の研究では6か月から15歳の子どもの発病を防ぐ効果は約1/2、入院は1/2以上減少するといわれています。ワクチンの安全性はきわめて高いと評価されていますので、接種がすすめられています。

咳エチケットを守り手洗い、手指の消毒を!

インフルエンザをうつさない、うつらないためには、咳エチケットが重要です。人の目の前で咳をしない、しても口を覆うことが求められますが、今年は新型コロナの影響でほとんどの方はマスクを装着しており、咳エチケットは万全といえます。あとは自身の手からウイルスが入るので、手指消毒が重要です。洗うのが難しい場合は、アルコール消毒が効果的。手洗いをした後の菌の減り方は、普通の手洗いを15秒すると1/4~1/13になり、擦りこみ型アルコール30秒では1/3000になるといわれています。ウイルスも同様の効果が期待されます。正しく洗うことはもちろん大切ですが、何度も洗うことでも、手についた菌やウイルスは減ります。咳エチケットと手洗い、アルコール消毒で、インフルエンザウイルスから体を守りましょう。

インフルエンザ予防に有効な方法とは?

厚生労働省「令和元年度インフルエンザQ&A」より作成

ウイルスから体を守るため、
こまめな手洗いと消毒を習慣づけましょう。

教えてくれたのは… 

公益財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 小児科・感染症科部長 羽田敦子 先生

小児科医。ウイルス感染症、感染免疫や感染制御のほか、おねしょ、お漏らしにも詳しい。基礎研究と臨床医学をつなぐ掛け橋となり、一般の人にわかりやすく医療を届けることを日々心がけている。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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