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子育てママのスマホの活用方法|ともに育つ・育む

子どもとスマホの付き合い方には さまざまな迷いや葛藤がつきもの。 育児にスマホを上手に取り入れる方法を 石戸奈々子先生にお伺いしました。

リスクを抑えてメリットを最大限に活かす

「子どもにスマホを持たせても大丈夫でしょうか」と多くの保護者の方から質問を受けます。しかし、私は「使ってもいい」「使ってはダメ」の二択で語られていることに違和感を覚えます。使い方次第では大人だって目が悪くなるし、詐欺にあう人もいれば、スマホ依存症になる人もいます。大切なのはリスクがあるから全否定するのではなく、どうすればリスクを極限まで抑えて、大きな教育効果をあげられるかではないでしょうか。

使い方次第では有効な学習ツールに

デジタル機器に対するネガティブな意見がある一方で、乳幼児にスマホで遊ばせると情緒的発達をうながすという研究もあります。タブレットで一緒に遊べば親子の会話も増えますし、植物や生き物の図鑑アプリを使えば外遊びをより深い学びの場に変えることもできるのです。内閣府の2020年の調査によると、インターネットを利用している子どもは3歳児で50.2%、5歳児で68.9%、7歳児で79.9%にも上ります。3歳児ですら半分はインターネットを利用する時代になったのです。だとすれば、スマホやタブレットを学習ツールとして使わない手はありません。

スマホは何歳から?何時間使わせるのがいい?

家庭環境や教育方針、子どもの成熟具合もバラバラですから、各ご家庭でよく話し合って納得のいく答えを見つけていくしかありません。私の子どもは0歳からタブレットを使っていますが、使用時間を制限したことはありません。タブレットに夢中になっていても「公園に行こう!」と誘われれば、すかさずタブレットを手放します。公園の方が楽しいからです。いろんな体験をさせていればスマホは楽しい遊びのうちの一つになります。中毒性が高いからと言って誰もがスマホ依存症になるわけではありません。育児をスマホだけに任せている場合は問題がありますが、それは育児放棄の問題であり、スマホ自体の問題はまた別の問題なのです。

親子のコミュニケーションが安全確保のカギに

私は時間制限なしでタブレットを使わせていましたが、制約が何もなかったわけではありません。私が良質なコンテンツだと判断したものだけで遊べるように設定し、課金サービスを利用しないようにフィルタリングをかけていました。制限時間を設けるのか、課金を制限するのか、SNSなど一部のサービスを使えなくするのか、ご家庭でよく相談して決めるとよいでしょう。大切なのは、子どもがトラブルに巻き込まれたときに、親がいち早く介入できるか。普段から親子のコミュニケーションが取れていることが安全確保のカギとなります。

スマホまかせで一息ついたら愛情でお返し!

子どもにスマホだけ与えて、何時間も放置するようなこと。これには私も反対です。反対する理由は、これが育児放棄を意味するからであって、スマホが悪いと考えるからではありません。しかし10分20分の時間、スマホに任せる程度であれば何の問題もないと考えます。「ママは疲れちゃったから、ちょっとの間だけスマホを見ててね」ということさえ許されないとしたら、保護者の息も詰まってしまいます。近年は核家族化が進み、子どもの面倒を見てくれる祖父母がいない家庭がほとんど。働くママもずいぶん増えました。仕事も家事も子育てもやらなくてはいけない中、少しの間もスマホに子どもを任せてはいけないと言われたら、親の方がパニックになりかねません。スマホに一息つかせてもらうことで精神的な余裕ができ、その分愛情を持って子どもに接することができるなら、そのほうがよっぽど良いと思います。それくらいおおらかな気持ちでスマホと接していけると良いですね。

年齢別のインターネット利用率

※保護者による回答 厚生労働省「令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査」より作成

上手に活用すれば、子どもの学習にもコミュニケーションにも役立ちます

教えてくれたのは… 

NPO法人CANVAS代表、一般社団法人超教育協会理事長、
慶応義塾大学教授・博士 石戸奈々子 先生

東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経てNPO法人CANVAS、株式会社デジタルえほん、一般社団法人超教育協会を設立。『賢い子はスマホで何をしているのか』(日経BP)、『デジタル教育宣言 スマホで遊ぶ子ども、学ぶ子どもの未来』(KADOKAWA)など著書多数。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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