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叱る・褒めるの メリットとデメリット|ともに育つ・育む

子どもを叱ったり、褒めたりすることを 難しいと感じている方は多いと思います。 それぞれのメリットとデメリットを坂野先生に伺いました。

ダメな行動を「叱る」から正しい行動を「褒める」に

基本的に「怒る」という対応は、これまで多くの研究がある中でほとんど効果が認められていません。「ダメな行動を叱る」よりも、「正しい行動を伝え、認める(褒める)」ことが大切です。日頃からたくさん褒めて良い親子関係が築けているからこそ、注意や指示、ルールの効果があります。制限ばかりしていても、子どもはその裏をかいくぐる術だけを覚えていき、良い行動を学ぶという効果は薄れてしまいます。

「叱らない」=褒める
「叱る」=罰を与える

「叱らない」ためには褒めることが必要です。また、「叱る」のは罰を与えるのと同じです。子どもの良い行動に報酬が与えられることで良い行動が増え、悪い行動に罰が与えられることで悪い行動が増えていきます。この場合の「報酬」は、ほめ言葉やハグ、笑顔、ハイタッチ、一緒に遊ぶなどを意味しています。「罰」とはその逆で、怒る、制限などのペナルティ全般を指します。不適切な行動を減らすためには「報酬を与えない」だけで、十分効果が認められています。

◆叱らない・褒めるメリット

・良い行動を学び、良い行動を増やそうとするきっかけになる

・褒められないときは、それが良くない行動であることを学ぶ

・他人に対しても褒めることを学ぶ

・親子の愛着関係が促進される

・自尊心が高まる

◆叱る・罰を与えるデメリット

・行動を抑制するが、新たなスキルを学ぶ効果はない

・一時的で限定的な効果しかない

・抜け道を探すようになり、より不適切な行動が増える

・新たな挑戦を避けたり、良い行動への改善意欲を失う

・怒る大人に対して、恐怖、不安、怒りを感じるだけで、信頼関係は築かれない

・その大人が恐怖や恐れの対象となり、行動そのものは改善されない

・その大人をモデルにして、他人をコントロールするには罰を与えたり、怒ればいいと考えるようになる

・怒りをコントロールできていない大人をモデルにして、自分の怒りもコントロールしないことを学ぶ

褒めるとき・叱るとき、それぞれのポイントは?

子どもを褒める時は、何が良かったのか具体的に褒めるようにしましょう。また、褒めるタイミングも重要です。100%できたら褒めるのではなく2割くらいできたときや、行動をしかけたときなど、良い行動をしたらすぐさま褒めましょう。褒めるときの視線や表情、声のトーンにも注意が必要です。
叱るときは、まずは良い行動をしっかり褒めているというベースがあることが重要です。そのうえで、事前にルールを明確に決めることで、叱る回数を減らしましょう。ルール設定の仕方にも様々な方法があり、守らないのであれば、そのルールにはあまり意味がありません。守れるようにルールの設定の仕方を変える必要があります

「ポジティブな注目」で親子関係の土台を築こう

子どもの良い行動に注目され褒めてもらえることを「ポジティブな注目」、悪い行動にだけ注目されて注意されることを「ネガティブな注目」といいます。「ポジティブな注目」なしに「ネガティブな注目」が増えるだけでは、行動は悪化していきます。もしご家庭でお子さんが反抗的で困っている方がおられましたら、お近くの自治体や医療機関などで行われているペアレンティングの講習などを受けてみるのもよいでしょう。

子どもとの関わり方のポイント

子どもの気持ちや考えに耳を傾けよう

子どもに問いかけたり、相談をしながら、どうしたら良いかを一緒に考えましょう。

良いこと、できていることを具体的に褒めよう

結果だけではなく、頑張りを認めることや、今できていることに注目して褒めることも大切です。

「言うことを聞かない」にもいろいろある

保護者の気をひきたい、子どもなりに考えがある、言われていることを子どもが理解できていない、体調が悪いなど、さまざまな理由があります。

肯定文でわかりやすく、時には一緒に、お手本に

子どもに伝えるときは、肯定文で何をすべきかを具体的に伝えます。共に行ったり、やり方を示したり教えたりするのもよいでしょう。

教えてくれたのは… 

虹の森クリニック院長、子どものこころ専門医
坂野 真理 先生

日本医科大学医学部卒業。2018年に鳥取県倉吉市に虹の森クリニックを開業。2020年に英国ロンドンに虹の森センターロンドンを開設し、薬に頼らない療育・心理療法を中心とした診療を行うと同時に、日英両国から情報発信を行っている。2児の母。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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