子どもの食育について|ともに育つ・育む!

「野菜はイヤ!お菓子大好き♪」なわが子の将来がちょっと心配……。 毎日の食事で子どもの力を伸ばすヒントを武田昌美さんにお聞きしました。

子どもに生きる力を与える 「食育」とは

 「食育」とは、栄養について教えるだけではなく、子どもが自分で健康を意識して食べるものを選び、生きる力を育てることです。食べ物が身近にあふれている時代だからこそ、「好き」という欲だけで食べるのではなく、自分の体に必要なものを選ぶ力が大切。食を選択する力を身につけることは、体の健康はもちろん、情緒の安定や集中力、自己肯定感にもつながります。ママやパパが「チョコレートはダメ」など、一方的に食べるものを制限するのではなく、子ども自身に何を食べるべきなのかを考えさせ、普段から少しずつ食の経験を積ませることが、食育の本質です。

毎日の食事が子どもの自立を支える

 食は、毎日の小さな習慣の積み重ねです。作る、食べる、片付けるという一連の流れが、段取り力や責任感を育みます。また、家族や友達と食卓を囲む経験は、安心感や人との絆の土台になります。成功も失敗も、自然と学びに変わるのが、食のおもしろいところ。食事の準備や片付けも、その一環です。我が家では、食後の食器は子どもが自ら下げ、簡単な洗浄まで任せます。仕事として習慣化すれば、自ら考えて行動する力につながります。

おやつの種類や量は子どもの自己責任に

 おやつの種類や量は親が制限するのではなく、食べるものの魅力や食べる際の注意点を伝えた上で、子どもの自己責任で選ぶ経験を重ねましょう。友達と食べるファストフードは、食事を一緒に楽しむ経験としては良いけれど、ひとりで大量に食べるのは控える、その日食べるおやつは自分で選ぶなど、ルールを決めることも大切です。幼少期から親と一緒に食品表示ラベルを見て、糖分量や塩分量、体への影響を理解させるのも有意義です。砂糖の1日の摂取量と各食品に入っている量をスティックシュガーの本数で教えると、子どもでも実感しやすくなります。「これ以上食べたら夕飯が食べられなくなるよ」と叱るより、体にどんな影響が表れるのかを考えるきっかけを与えましょう。

栄養バランスは楽しさから学ぼう

 栄養バランスは、健康はもちろん、集中力や体の成長にも関わる大事な要素。大人でもむずかしいことなので、見た目の楽しさからゲーム感覚で栄養面に触れてみましょう。「赤=肉、緑=野菜、黄色=炭水化物の3色を揃えると、料理がおいしそうに見えるよ」と伝えると、自然と野菜が食べられるようになります。子どもがワクワクするようなことで興味を惹くのがコツです。

旬の食材に触れて、食への興味を引き出す

 日本の食文化や食べ物への感謝を教えるなら、梅シロップや赤じそジュースなど、季節の素材で簡単に作れるものから始めてみましょう。どんな時期にどんな食材が出回るかを知り、旬の味覚を楽しむ体験は、食文化への理解にも結びつきます。
 食への興味を促したい場合は、一緒につまみ食いをしましょう。「ちょっと味見して」と声をかけ、子どもが目を輝かせたら、食への好奇心の表れです。ただ、キッチンで子どもに調理してもらうのは大変なので、レタスをちぎって洗うなど、簡単なことから始めてみましょう。

好き嫌いを認めると子どもの自信につながる

 嫌いなものは無理に食べさせず、まずは「嫌い」という気持ちを受け入れます。その上で、「どうしたら食べられるかな?」と一緒に考えてみましょう。たとえば、生のニンジンは苦手でも、スティックにしたり茹でたりすると食べられるようになる、ゆで卵は無理でも温泉卵なら大丈夫、ということもあります。ママ・パパに自分の好みや意思を認めてもらえることで、自己肯定感や将来の健康意識の基礎につながります。食育を通して個性を尊重しながら、子どもの生きる力を育てていきたいですね。

教えてくれたのは…

リトルシェフクッキング代表
武田 昌美 さん

幼少期より料理に親しみ、出産を機に2歳から通える子ども料理教室「リトルシェフクッキング」を起業。これまでにのべ9,000人以上の子どもに料理の楽しさを教える。著書に『賢い子は料理で育つ』などがある。