子どもの 読み聞かせ|ともに育つ・育む!

ふれあいタイムとして、親子で楽しみたい絵本。読み聞かせとはどんなものか聞かせ屋。けいたろうさんにお聞きしました。

絵本の読み聞かせは 親子がつながるひととき

ページをめくると素敵な絵と文章がある絵本を、大好きな人に読んでもらえるのは、子どもにとって本当に嬉しいことです。絵本は、自分で読むより、誰かに読んでもらうほうがおもしろいのです。ママやパパが絵本を読み、子どもがそれを聞いて、笑い合ったり、お話をじっくり味わったりする時間があると、お互いの心が満たされて、親子がつながるきっかけになります。

読み方も聞き方も自由! 大切なのは親子のふれあい

親子で絵本を楽しむ時は、絵本の持ち方や座る場所、読む・聞く姿勢、タイミングなどにこだわる必要はありません。自由にはじめてみましょう。子どもを膝の上に座らせても、一緒に寝転がって読んでも大丈夫。声色をつけてもつけなくても構いません。大切なのは、絵本の読み聞かせを通して、親子がふれあう時間が生まれること。それだけで十分なのです。

上手に読もうとしなくて大丈夫。 話しかけるように読んでみて

読み聞かせは、文字通り〝読んで聞かせる〟だけであって、紙芝居のようにお芝居をするものではありません。読むのが上手でなくても大丈夫。普段、おしゃべりをする時のように、自然に読むのがいいでしょう。ちなみに、僕の“上手な読み聞かせ動画”を見せるよりも、ママやパパが直接読んであげるほうが、子どもは嬉しいはずですよ。
どんな絵本を選べばいいか迷った時は、こども園や子育て支援センターの先生、図書館の司書さんに聞いてみてください。いい絵本をたくさん知っている方がきっといらっしゃいます。

その日の気分や好みで広がる 読み聞かせの世界

子どもが読み聞かせにあまり興味を持たなかったり、集中力が続かなかったりすることがあります。大人だって、読書したい時もあれば、お出かけしたい時、ゆっくり休みたい時など、いろいろな気分の時がありますよね。子どもにも同じように〝その日の気分〟があり、それが読み聞かせに乗り切れない原因の1つになっているのかもしれません。もう1つの原因として、絵本がその子に合っていない可能性も考えられます。発達段階に合わず、文章が長過ぎるというケースも多々あります。まずは、図書館であれこれ借りてみてください。0~2歳児向けには「赤ちゃん絵本」というものがありますし、電車好きの子には電車の絵本もあります。そして、子どもが大好きになった絵本は、購入してみるのもいいのではないでしょうか。

読んだ絵本は親子共通の経験。 読んだあとも自由に話そう

僕が保育を学んでいた頃、恩師は、「絵本を読んだあとは、黙して語らず」と教えてくれました。これは、〝無理に内容を復習したり、理解できていたかどうかを確認したりしない〟という意味です。親子で一緒に読んだ絵本は、共通の経験になりますから、「楽しかったね!」とか、「この絵本みたいに〇〇して遊んでみる?」など、絵本についていろいろな角度から自由に話すことも、大切な親子の時間になりますよ。

教えてくれたのは… 

読み聞かせ師・絵本作家
聞かせ屋。 けいたろう さん

絵本の文章作家・翻訳者・講演家。夜の路上で大人への絵本読み聞かせを10年続ける。絵本を抱えて全国を駆けめぐり、絵本の文章や翻訳も手がける。作品に「どうぶつしんちょうそくてい」(アリス館)など、翻訳作品に「まいごのたまご」(角川書店)など。保育士。三姉妹の父。