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子どものお手伝い|ともに育つ・育む!

子どものお手伝いにはどんな意義があるのでしょうか。 上手なアプローチの仕方やお手伝いのメリットなどを佐藤めぐみさんにお聞きしました。

将来の生活力につながる幼児期のお手伝い  

お手伝いは生活と密接に関わることが多く、将来身の回りのことができるようになるかどうかが左右されます。まだ早い?と思われるママやパパもおられると思いますが、小学生になると勉強が忙しくなってしまうので、幼児期こそお手伝いのいい機会です。ただ、「やりたくない」という子には大人からのアプローチが重要になります

意欲を高める声掛けやアプローチのコツ

お手伝いは基本的に地味なもの。年末の大掃除などイベント的なことは喜んでやってくれても、日々のお手伝いの継続はむずかしく、「やりたい、続けたい」というモチベーションにいかにもっていけるかが重要です。「助かった!」「頼りになる」という声掛けで、成功体験から手伝いたい気持ちにさせることが理想。自分のお皿を台所まで持っていく、歯磨き後に洗面所をタオルで拭くなど、一日の流れに組み込むことも効果的です。罰則にしたり、やって当たり前という目線になったりすることは避けましょう。

子ども自身の成長と 親子関係にもメリットが!

お手伝いのメリットの1つは、子ども自身の生活スキルが上がること。お手伝いを早く終わらせるために計算する力や、試行錯誤する力が身につき、ほめられることで目標を達成できたという自己効力感も高まります。親は手伝ってもらえると、心に余裕ができて笑顔になり、親の笑顔は子どもの心を満たすので、良好な親子関係にもつながるのです。

イヤイヤ期が来たらスタートのチャンス!

何でも自分でやりたがるイヤイヤ期は、お手伝いを始めるチャンス。ママが家事をしている姿を見て、「自分もやりたい!」という時は、まねごとからお手伝いへと発展させましょう。2~3歳はできる範囲が限られていますが、子どものやりたい気持ちをできるだけ尊重し、可能な範囲で付き合ってあげましょう。ただ、包丁やアイロンなど危険を伴う場合は、おままごとに置き換えるだけでも意義があります。

4~6歳は人格形成時期 身の回りのことをお手伝いに

4~6歳になると人格が形成されていき、興味のあることに流されがちで、自我も強くなるため、親のいうことを素直に聞いてくれなくなる傾向に。この時期に親が身の回りの世話をしすぎると、子どもはできることもやらなくなります。小学生になると、我が子に自分の身の回りのことをやって欲しいという声も多く聞かれます。脱いだ服は脱衣かごに入れる、靴をそろえる、食器を台所に持っていくなど、お手伝いを活用して、スムーズにできるように促すと良いでしょう。

その子にとっての「特別感」を目標に

お手伝いのモチベーションが報酬になるのは避けたいところ。ただ、継続がむずかしいときは、お風呂を洗った後に好きな入浴剤で入浴する、洋服を脱いでから洗濯をして、服をたたむまでの一連の流れを見せるなど、イベントのようにしてみましょう。シールを活用して「何枚たまったらピクニックに行こう!」など、モノではない「特別感」を目標にするのもおすすめ。目指すはほめられてうれしい気持ちが日々のお手伝いにつながることです。

理想は家族と過ごす中で自分の役割に定着すること

我が子にお手伝いをしてもらうまでの土台として、ママやパパに意識して欲しいのが、やってあげていることを手放すこと。なんでも先回りせず、差し伸べる手をひっこめることから始めてみてください。子どものお手伝いへの意欲を高めるきっかけとなり、成長につながります。行きつく先は、「家族の一員としての役割」です。その入口として、お手伝いを活用しましょう。

教えてくれたのは… 

公認心理師
佐藤 めぐみ さん

育児相談室ポジカフェを運営。英・レスター大学大学院修士課程修了。専門は0~10歳の子がいる家庭向けの行動改善プログラム、認知行動療法ベースの育児ストレスカウンセリング。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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