幼児期に多い|感染注意の病気対策 おたくふかぜ、ヘルパンギーナ、水疱瘡など
おたふく風邪に水疱瘡…小さい頃に感染したけど親としては未体験、そんなママも多いのでは? 最近は、海外旅行の機会や予防接種の種類も増えていて、昔の常識とは異なることも。 いざという時に困らないように、病気の症状や対処方法を学んでおこう! かかってしまった時の保育園・幼稚園の出席停止期間も参考にしてね。
おたふくかぜ
耳下腺(耳の下)が腫れて痛み、発熱を伴うことが多い。両側とも腫れることが多いけれど、片側だけの場合や、後から両側の腫れになることも。おたふくかぜは髄膜炎や難聴、精巣炎や卵巣炎などの合併症を伴うことがある。
Home Care
噛むと腫れた頬が痛むため、極力かたい物は避けよう。酸っぱい物も痛みが強い傾向に。高熱がつづき、頭痛や吐き気が強い場合は再受診を。
大人にもうつる?
一度おたふくかぜにかかっている場合は、特殊な場合を除いてかからないが、かかっていない場合は予防接種の検討を。大人がかかると子どもに比べて症状は重く、合併症も増える。
ヘルパンギーナ
6月から8月にかけて流行る夏風邪の一種。高熱が1~3日続くと同時に、のどが赤く腫れ小さな水疱がたくさんできる。のどの痛みが強いため、食事や水分を摂らなくなったり、よだれを流すように。また嘔吐や下痢、腹痛を伴うことがあり、高熱から熱性けいれんを起こすことも。
Home Care
のどの痛みで食事を受けつけなくなるため、のど越しの良いもの、冷たいものが食べやすい。水分は十分に摂らせ、食事摂取ができないときは経口補水液やイオン飲料を与えよう。
大人にもうつる?
唾液や鼻水、便、くしゃみなどの飛沫や接触によってうつることも。手洗いやうがい、汚染物の消毒などが大事。治った後も数週間程度ウイルスが便から排出されるため、油断は禁物。
水疱瘡(みずぼうそう)
始めは虫さされのような発赤ができ、水疱(水ぶくれ)になった後、破れてかさぶたに。頭皮から出始め、体や四肢に広がる。数日間は新しい皮疹がどんどん増え、熱やだるさ、かゆみを伴うことが多い。
Home Care
皮膚から他の菌がはいることを防ぐために、元気があればシャワーや入浴を。ただ温まりすぎるとかゆみが増すので要注意。
大人にもうつる?
一度水疱瘡にかかっている場合は、ほぼかからないが、大人がかかると子どもよりも症状が重い。大人も子どもも、水疱瘡の患者に接触後72時間以内に予防接種を打つことで、予防や症状を軽減する効果がある。
溶連菌感染症(ようれんきんかんせいしょう)
代表的な症状は発熱、喉の腫れと痛み、嘔吐。他に体や手足に小さな赤い発疹ができ、かゆくなったり、舌に苺のような赤いぶつぶつができることもある。また熱が下がると手足の皮がめくれることも。
Home Care
抗生剤を飲むと1~2日で熱が下がり、喉の腫れも次第にひくけれど、もらった抗生剤は必ず最後まで飲むこと。まれに1~2週間遅れで腎炎を起こすことがあるため、良くなってから一度尿検査をすることがある。
大人にもうつる?
子どもと違って症状は軽いことが多いけれど、お子さんが溶連菌と診断され、ママも喉の痛みや発熱などがある場合は早めに医療機関の受診を!
風疹(三日ばしか)
今は、子どもより20~40代がかかりやすい病気。特に妊娠初期にかかると、赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気になることがあり、非常に危険! 予防接種を打ったことがなく、風疹にかかったことがない場合は、ぜひパパも含め予防接種を受けよう。
【予防接種】
大人は医療機関へ問合せ
※自治体によっては、妊娠を希望する女性やその配偶者を対象に、抗体検査や予防接種の補助も。詳しくはお住まいの自治体へ。
かかってしまった!保育園・幼稚園の出席停止期間は?
かかってしまった場合は、ゆっくり体を休める期間と考えて。ほかの子どもやママにうつさないためにも、出席停止期間をきちんと守ろう。
【おたふくかぜ】
耳下腺、顎下腺又は舌下線の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで
【ヘルパンギーナ】
症状がなくなるまで
【水疱瘡】
全ての発疹がかさぶたになるまで
【溶連菌感染症】
適切な抗生剤による治療を開始後24時間以降
【麻疹】
解熱後3日間経過するまで
【風疹】
発疹が消失するまで
※症状により異なる場合もあります。実際の出席停止期間は、主治医の先生や、各保育園・幼稚園の指示に従いましょう。
教えていただいたのは
大阪はびきの医療センター 小児科 診療主任
深澤 陽平先生
食物アレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の相談、専門医療を行う。医師、看護師、薬剤師、理学療法士、心理士、学校教員などが連携した総合的な治療が特徴。