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子どもの睡眠について|ともに育つ・育む!

子どもにとって最適な睡眠時間は? 睡眠が成長に与える影響は? 気になる子どもの睡眠について 清水悦子先生にお聞きしました。

子どもの睡眠は大人の睡眠より大事

睡眠には「脳・心・体の疲れを回復させる」「記憶を整理・定着させる」「脳や体を成長させる」といったさまざまな役割があります。子どもにとって、睡眠は心身の成長そのものに影響してきます。子どもが自分で十分な睡眠時間を確保し、生活リズムを整えるのは難しいので、大人が気を付ける必要があります。

夜型が与える影響と 理想の就寝時間は?

夜間の睡眠時間が極端に短くなると、脳の休息や記憶の定着など、眠りの役割によるメリットを享受できず、日中ぐずったり、イライラしたり、落ち着きがなくなったり、逆にぼんやりしたり、活気がなくなったりすることも。極端な睡眠不足が続くと親のストレスも増え、間違って発達障害だと診断されるケースも問題視されています。朝明るくなったら起きるのが子どもです。0~13歳まで夜間に必要な睡眠時間は9~11時間程度と言われています。間をとって10時間睡眠時間が必要と考えると、6時~7時に起床、20時~21時頃に就寝が理想です。

寝つきが悪いときに おすすめの入眠方法は?

眠気をしっかり感じるためにはメラトニンというホルモンの十分な分泌が必要となります。メラトニンは夜の光で分泌が抑制される特徴があり、子どもの方が光に強く反応することが知られています。寝つきが悪い子どもは、就寝時刻の1時間くらい前から間接照明を使い、ダイニングの明かりだけにしてテレビを消しましょう。そして、スマホやタブレットは使わず、絵本やブロック、塗り絵、親子での会話など、静かに過ごしましょう。寝る30分~1時間くらい前に入浴したり、手足を温めたりするのもおすすめです。

子どもの寝すぎや寝起きの 不機嫌に対する対処法

朝起きられない場合は、まずは夜の睡眠時間が足りていない可能性を考え、いつもより30分早く寝かせて様子をみましょう。大人が〝寝すぎ〟と思うくらい寝ていても、毎日同じくらいの時間、眠っているようであれば、その子にとって必要な睡眠時間かもしれません。また、人の体の仕組みとして、毎朝同じ時間帯に起きると、起床後のストレスに対抗するコルチゾールなどのホルモンの分泌が高まり、気持ちよく目覚められるといわれています。毎日同じ時間帯に起こせば、子どもの不機嫌も減るかもしれません。赤ちゃんも子どもも、「毎日同じ」が安心して眠るための土台になります。夕方以降、同じ流れで寝かせるように習慣づける「ねんねルーティン」を作ることをおすすめします。

近頃話題の〝ネントレ〟の メリットとデメリットは?

「ネントレ」は夜泣きなど、睡眠問題の改善のために欧米で実施されている、赤ちゃんが1人で寝つけるようにするための方法。1人で寝られるように練習する、赤ちゃんに好ましいスケジュールで生活する、眠る前のルーティンを決めるなど、いくつもの方法が提唱されています。寝かしつけの時間が短くなり夜泣きが減るなど、親の負担や育児ストレスを軽減することが最大のメリットですが、根気よく練習することが必要です。泣かせるのはかわいそう、添い寝をしてあげたいと思う親にとっては、ストレスに感じる場合もあります。1人で寝かせないと夜泣きはなくならないというわけではありません。日本の子どもの場合、大人の夜型生活に引きずられて睡眠の質が落ちていることが、睡眠問題の原因になっていることも多くあります。

基本的な"早寝早起き"が 悩み改善への近道

「朝昼明るくにぎやかに、夜は暗く静かに」を基本に、朝は同じ時間帯に起きて活動的に過ごす、夜は明かりを落として静かにし、暗い部屋で眠る。寝つきの悪さや夜泣きは、夜だけに注目して改善しようとしがちですが、生活全体につながっています。基本的な早寝早起きの生活リズムを整えることが、眠りの悩みから抜け出すための近道です。

必要と考えられている人間の年齢別睡眠時間

わが子に必要な睡眠時間を 確認し、早寝早起きの 生活リズムを整えることが 悩み解消の近道です。

教えてくれたのは… 

NPO法人赤ちゃんの眠り研究所 代表理事
茨城キリスト教大学文学部児童教育学科 准教授 清水悦子 先生

我が子の夜泣きとその改善体験を機に乳幼児の睡眠発達に関心を持ち、保育士資格取得。大学院へ進学後に2016年NPO法人赤ちゃんの眠り研究所を設立。現在、赤ちゃんの安心安全で健やかな眠りをはぐくむ「ネムハグ」活動を推進。著書「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」(かんき出版)等。

【あからぼ】赤ちゃんの眠り研究所

赤ちゃんの眠り研究所は、「子育て家庭の心の余裕」と「子どもの笑顔と健康」を守るために、赤ちゃんの眠りに悩む子育て家庭をサポートする団体です。
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この記事を書いた人

まみたん編集部

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