ママの確定申告|ともに育つ・育む!

ママの働き方が多様化し、 投資やネットショップなど、 収入を得る方法も増えてきています。 そこで知っておきたい確定申告の知識を 加藤梨里さんにお聞きしました。

確定申告が必要なのは どんな人?

パートやアルバイトをされているママは多いと思いますが、基本的には年末調整を行うのみで、確定申告は必要ありません。もし副業やフリーランスなどによる年間所得が20万円超ある場合は確定申告が必要です。所得とは収入から経費を引いたもので、収入が20万円ということではありません。次のような人は確定申告が必要になります。

【確定申告が必要な人(一例)】

●年途中に退職し、年末調整を受けておらず、次の職(パート・アルバイト・正社員など)にもついていない場合
●パート、アルバイトをかけもちしていて所定の年収を超える場合
●フリーランス・個人事業主(給与所得がない)で、年間所得が48万円を超える場合

専業主婦でも 確定申告が必要な場合は?

まったく収入がない場合、確定申告は不要です。ただ、仕事による収入がなくても、所得税の対象になる収入や所得があれば、確定申告が必要になります。例えば、投資による収入や不動産賃貸収入、フリマアプリやネットオークションなどで得た所得の合計が48万円を超える場合は確定申告が必要です。ただし、NISAは非課税のため、利益収入があっても確定申告は不要です。また証券会社で「源泉徴収あり」の口座を利用している場合も不要です。

確定申告をする際に 必要なものとは?

パート、アルバイトをしている人で「給与所得」として収入がある場合は、勤務先で発行される源泉徴収票が必要です。「給与所得」以外の収入がある場合は、収入の種類に応じて、課税方法および必要書類が異なります。所得税の確定申告における課税は働き方ではなく所得の種類によって変わるので、パート・アルバイトの必要書類=源泉徴収票ではありません。専業主婦を自認しているママでも無収入とは限らず、フリーランスで事業収入があったり投資収入や不動産の収入があったりと、パターンは多様です。投資収入があれば、証券会社などから発行される「年間取引報告書」を添付して申告する必要があります。

確定申告でお金が 戻ってくるケースも!

確定申告を行い、給与やボーナスの支給時に源泉徴収された税額よりも納税すべき税額が低くなる場合には、還付金が戻ってきます。例えば、本人名義でふるさと納税をした場合や、本人が支払っている生命保険の保険料控除を受ける場合などです。医療費控除も申告できますが、夫が確定申告をする場合は世帯の医療費をまとめて申告したほうが税の軽減効果が大きくなる場合があります。なお、確定申告が必要なのにしなかった場合、納める税金のほかに無申告加算税がかかります。また、申告期限を過ぎる場合、延滞税も課されます。納付額の計算方法は条件によって異なるので、国税庁のホームページを参照してください。

マイナポータル連携などを 利用して申告をスムーズに

会計ソフトを利用して申告書を作成する以外に、国税庁の「確定申告書作成コーナー」を使うと便利です。必要事項を入力するだけで計算ができ、効率的に申告手続きができます。また、スマホで確定申告ができる機能もあり、二次元コードを使えばコンビニで納税を済ませることも可能です。また電子申告システムe‐Taxを使うと、インターネットで完結できます。マイナポータルと連携すれば、源泉徴収票や各種必要情報の一括取得ができ、データを取り込めば、必要事項が自動で入力されます。さらに、24時間受付可能なので、税務署に出向く手間が省け、証明書などの添付も不要。還付も2~3週間でスピーディに行われるなどのメリットがあります。
※あくまで一般的な確定申告の概要に基づくものです。個別のケースの課税や必要書類等については、必ず近隣の税務署などで確認してください。

教えてくれたのは… 

ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者)
加藤 梨里 さん

保険会社、信託銀行等を経て独立。「マネーステップオフィス株式会社」代表。専門は保険、ライフプラン、資産運用など。近著に『世帯年収1000万円―「勝ち組」家庭の残酷な真実―』(新潮社)、『ガッツリ貯まる貯金レシピ』(主婦と生活社)など。

すこやかな人生に向けて、健康とお金の安心を追究します - マネーステップオフィス株式会社

お金と健康に関わる記事の企画・執筆制作・監修、音声・動画や、アプリ内コンテンツの開発・企画専門のファイナンシャルプランナー(FP CFP®)の会社です。大手メディア等での執筆実績1万本以上。家計、ライフプラン、保険、税金、教育などくらしのお金、マネー分野で信頼性の高い情報を専門家が精査し、わかりやすいコンテンツに仕上げます。