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ともに育つ・育む|『木育』ってなあに?

日本人にとって古くから慣れ親しんだ木は、五感で感じられるとても心地良い存在。 そんな木を使った「木育」は、子どもを健やかで豊かな心に育てる取り組みとして、いま注目されています。 子育てに取り入れたい木育について、大阪府環境農林水産部のご担当者にお話を伺いました。

Q.いま注目されている木育とは どのような取り組みですか?

木育とは平成16年9月に北海道で発足した「木育プロジェクト」より提案された新しい言葉で、子どもをはじめとする全ての人が「木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組みのことです。
しかし木育は単に木が好きになって、木を暮らしの中に取り入れればいいというものではありません。
その木材が、森林や環境をきちんと大切にしながら伐られているのかといったところにまで思いを馳せ、木を使うことと環境を守ることがつながっていることをしっかり理解いただく必要があり
ます。木や森という関わりを通して、私たち人間も自然の一部であり、多くの生命と共存しながら生きていることを実感することが大切です。
また、子どもの頃から木を身近に使うことで、人と木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことを目的としています。

ウッドデッキ

Q.木育は子どもに どのような効果がありますか?

数十年前まで身の回りにある道具は木製のものが主流でしたが、高度経済成長期を経て、日本の林業や木材加工業は衰退の一途をたどり、どんどん木の道具が消えていきました。
私たちの社会や生活スタイルが大きく変化している現代、子ども達が健やかに育つ環境づくりが求められています。
特に、人間形成の基礎が養われる乳幼児期には、豊かな感性と心を養い想像力を高めることができます。木との関わり方には、木のおもちゃや食器を利用したり、小物や木製家具など空間に木を取り入れたり、木工クラフト体験や森林活動体験に出かけてみるなど様々なスタイルがあります。
木と積極的に関わることで木の香りや見た目、手触りなどから五感を通して温かみややわらかさを感じることができ、それが子どもの心を健やかに発達させていくといわれています。

Q.木育を暮らしの中で 取り入れるには?

子どもたちの身近に、やさしくて温もりのある木に固まれた空間、例えば『木と緑があふれる家』『気軽に出かけられる大きな木製遊具のある遊び場」などがあれば理想ですが、そういった環境がなくても『木の椅子に座って本を読む」「木の食器でおやつを食べる」など、日頃のちょっとした行動でも、木に親しむことができます。
自然の中だけではなく、日常の暮らしに木育を取り入れることで『どこでも、だれでも、いつでも』その機会に恵まれます。
木や自然環境とふれあうことで知らず知らずのうちに、森や木とのつながりが作られていくのです。
子どもたちは「木は生きているの?」「どうして生きているって分かるの?」「この木は何歳なの?」と森や木と自分との関わりに気づき、自然環境や生命について主体的に考えられるようになるでしょう。

床の木質化

Q.今後の取り組みについて教えて下さい。

全国的にも木育を推進するリーダーを養成するため、木育インストラクター養成講座の開催や地方公共団体による木育推進事業、木育団体によるイベントなどが全国的に展開されています。
大阪府では幼稚園や保育所、認定こども園などを対象に、子育て施設の内装木質化を進めるため、平成28年度から森林環境税を活用し、施設を改修する際の床や壁の内装などを木質化するための工事費を補助する事業を開始しました。
全国的に見てもこうした活動は今後増えていくと予想されます。これからも子どもの生育環境を充実させるとともに、子どもの頃から木材に接し、その良さを体感することで森林の大切さについて理解が深まることを期待します。

教えてくれたのは...

大阪府環境農林水産部みどり推進室
森づくり課森林支援グループ

大阪府環境農林水産部みどり推進室森づくり課では、大阪府のみどりに関する各種情報を発信。
また、自然環境の保全と緑化施策の企画・調整友ぴ推進に取り組み、府域の林業の振興として、森林組合指導宇森林バイオマスを活用したプロジェヲ卜、森づくり関係、林業普及指導、林業労働力対策などを行う。

今日から木育をやってみよう!

木育は特に身構えるものではなく、ちょっとしたことから始められるもの。
日々の中でできる木育をずらっとご紹介!

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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