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ともに育つ・育む|うちの子大丈夫? 子どもの歯並びケア

子どもの歯が生えてくると歯並びが気になるところ。 予防するなら小さいころから始めたいと考えるママも多いはず。 そこで子どもの頃からできる矯正治療や予防法について、ななえ歯科クリニックの内野博行先生にお聞きしました。

Q.歯並びが悪くなる原因には どのようなものがありますか?

年齢を問わず、日本人の平均的な歯並びは欧米人に比べれば、決して良くはありません。
その原因の大部分は遺伝的なものであり、日本人の成り立ちから見て、ある意味仕方のないこ
とでしょう。ただ遺伝的以外の部分では成長期の「指しゃぶり」「口呼吸」「頬杖」「うつぶせ寝」などの習癖が、出っ歯や顎のずれの原因となることもあります。
しかし、必ずしも歯並びが悪いと全くダメということではないのです。
いわば日本人であることのアイデンティティでもあり、八重歯や受け口、前歯の軽いガタガタ程度なら治療の必要はないと思います。
巷で言われるように、むし歯になりやすい、全身の健康に影響するなどの可能性も少ないので、歯並びの良い悪いを神経質になって気にすることはありません。
それよりも毎日しっかりと歯磨きをするなど、歯の健康を守ることが大切です。

Q.矯正治療は子どもの頃から 必要ですか?

矯正治療は、永久歯列に対して行うものであり、乳幼児期に行うことはほとんどありません。
乳歯が生え始める頃から生えた後の時期は時間が経過することで歯並びが良くなることがほとんどのため、過剰に心配しないことが大切ですね。
治療を始めるのであれば、顎を広げたり歯を動かす床矯正装置やリンガルアーチを使用する場合は小学校低学年から、本格的なワイヤーを設置する矯正の場合は小学校高学年から可能です。
ただ比較的短期間に終わる床矯正やリンガルアーチに比べ本格的な矯正の場合、期間の長さや費用の高さの問題があり、また永久歯の抜歯や治療時の痛みなど負担はより大きいものとなるでしょう。
一生に一度しかない思春期を、装置を入れたまま過ごすことになる子ども自身にも精神的肉体
的負担を強いることにもなります。
そうしたことを考えると、矯正治療にはメリットよりもデメリットのほうが上回る場合もあるため、さまざまな医療情報に触れ、慎重に検討することが重要です。

Q.家庭でできる 予防法はありますか?

遺伝的要因が大きい歯並びですが、家庭でできることと言えば「鼻呼吸」の習慣をつけさせることです。
乳児と幼児の兄弟を育てている方はお気づきかもしれませんが、下の子の口元はきりりと締まっているのに、上の子はお口ポカン状態になっていることが少なくありません。
乳児期には鼻呼吸が出来ていたのに、幼児期に口呼吸に移行してしまうのです。
慢性鼻閉がないかぎり小学校低学年のうちに口周りの筋肉を鍛えて鼻呼吸に戻してあげることをオススメします。
例えば、風船をふくらましたり口笛を吹くなど、遊びながらトレーニングするのも効果的ですね。ほかには硬いものを食べさせれば、歯並びが良くなると考える方は多いのですが、実際は根拠がありません。
よく噛む習慣は将来にわたって良い結果をもたらしますが、食事の場が修行の場と化しては食事が味気ないものになるでしょう。
アドバイスとしては、子どもがテーブルを共に囲むようになったら、食事中にはコップのお水やお茶を置かないことです。
なぜなら食事中に水分があると、早い時期からあまり噛まないで流し込むことを覚えてしまいます。水分がないとよく噛まなければ呑み込めませんから、おのずとよく噛む習慣がついてくるのです。

Q.様々な歯科医療情報と 上手に付き合っていく方法は?

現在はネット社会ということもあり、さまざまな歯科医療に関する情報が入り乱れています。少子化や核家族化もあって、子育てに関する「経験値」が共有されにくいなかで、ネット上の先入観や偏見にかかった情報に振り回されて、苦しんでいるママさんも多いはず。
正しい情報と付き合っていくには、ただネット上の情報を一方的に信じるのではなく、本や新聞、
テレビなどより多くの情報に触れて、適切な知識と判断力を養うことが必要となります。
良い意見はもちろん、悪い意見も調べ、先入観を持たず公平な視点でみることが大切です。
まずは同世代のママ友、すでに子育てを経験した母親や祖父母の意見に耳を傾けたり、信頼できる歯科医師に相談してみるのもいいですね。

まみたん会員さんに聞きました!

Q 子どもの歯の健康について気をつけていることは?

●夜は糸楊枝を使って念入りに磨いています。また、3か月に1度は歯科検診を受けています。匿名希望)

●半年に1回、無料で実施しているフッ素塗布に参加している。(颯己)

●甘いものを食べたら水など必ず飲み、口をゆすぎます。(ももた)

●朝昼晩必ず歯を磨く習慣をつける。子どもと楽しく歯磨きができるように試行錯誤しております。(はるはる)

●仕上げ磨きは必ずしています。また子どもの仕上げ用歯ブラシは歯医者さんで購入しています。(ゆゆゆゆんん)

●うがいもできるので、フッ素入り歯磨き粉を使用している。(プリプリプリン)

●歯磨きを嫌なものにさせない(しっかり磨かなくても良いので、口の中に歯ブラシを入れることに慣れさせ、しっかり褒めるなど)。(匿名希望)

●赤ちゃんの頃から箸やスプーン、食べ物は大人と分けている。おかげで子どもは6歳で虫歯はありません。(匿名希望)

教えてくれたのは...

ななえ歯科クリニック 内野 博行 先生

九州大学歯学部卒。現在は佐世保市にて開業。診療のかたわら、子育
て情報誌などで特集記事を担当。単行本に「こどもの歯を治療・矯正する
前に」。歯科医としてのモットーは「見守る医療・折合う健康」。目標は「歯
科医療の必要性のない社会を実現すること」。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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