成長や健康にも重要!子どもの靴アドバイス|ともに育つ・育む
子どもが毎日履く靴について、本当にこの靴でいいのか不安というママも多いのでは? 子どもに合っていない靴を履かせていると、成長や健康を損ねるリスクも。 気をつけるべきポイントについて、専門家の先生にお話を伺いました。
Q.サイズはどうやって選べばいいの?
靴専門店や百貨店の靴売場にいるシューフィッターに正しいサイズを計測してもらうと良いでしょう。時間をかけず無料で計測してくれるシューフィッターも多いです。足長だけで判断すると誤ったサイズを選択しかねないので気をつけてください。
シューフィッターがいない場合は、必ず両足を試着させ、歩いている様子を確認してください。靴が足に合っていないと歩き方がぎこちなくなります。店員さんの許可がもらえれば、子どもを少し走り回らせるとより良いです。
子どもの足が大きくなって次のサイズに履き替えるまでの期間と、靴を履ける使用期限は同じくらいなので、成長分を加味して大きめの靴を買う必要はありません。その時その時の子どもの足にぴったりあったサイズを履かせてあげてください。
Q. どんな靴がいいの?
子どもの足の形状を考えたデザイン
成長過程の子どもの足は踵が小さく、前足部が広がっています。そのため靴も子どもの足の形に沿ったデザインであるべきです。デザインを優先した先の尖ったシャープな靴、履きやすさを優先した履き口が大きな靴、ヒールのある靴などは、足のトラブルになる恐れがありますのでやめた方がよいでしょう。
靴の甲の部分に留め具がある
ストラップなどが付いていて甲の部分を固定できる靴がお勧めです。甲全体を覆うことができる太いストラップや二本ストラップが付いている靴は、よりしっかりと足をホールドすることができます。
靴のソールの曲がる位置が正しい
足の曲がる位置(足の指の関節)で靴のソールも曲がらないと歩きにくいです。作りが悪く、おかしな位置でソールが曲がる靴もありますので注意してください。
靴の踵がしっかりしている
靴の踵を押してみてフニャフニャしているものは、しっかりと踵を固定することができないのでさけた方がよいでしょう。
トースプリングがしっかりと取られている
小さな子どもは、つま先が地面などに引っ掛かり転倒しやすいのでトースプリング(つま先のそり返り)をしっかりと取る必要があります。子どもの年齢にもよりますが、地面から6~10 mmくらい靴のつま先が反り上がっているかを確認しましょう。
インソールが取り外せる
足は普通に生活しているだけで1日に両足でコップ1杯分の汗をかくので、靴の中は雑菌が繁殖しやすく不衛生です。インソールが外せて、そのまま水洗いできるタイプの靴が良いでしょう。
Q. 正しい靴の履かせ方は?
足の踵と靴の踵をぴったりと合わせることが大事です。子どもを玄関に座らせ、ストラップなどの留め具を全開にして足を入れやすい状態にしてから靴を履かせます。その後、踵を地面につけてつま先を上にあげた状態(こうすると足の踵が靴の踵に自然と収まります)にして、留め具をしっかりと留めます。
人間の足は座った状態から立ち上がると荷重が大きくなって変形しますので、立ち上がったらその時の状態に合わせて留め具を再調整してあげてください。
Q. 偏平足って?どうしたら防げるの?
偏平足とは内側縦アーチ(土踏まず部分)が崩れて骨格が落ちてしまうことをいいます。アーチが落ちてしまうことにより、正常歩行が困難になり、歩くのに余計なエネルギーが必要になるので疲れやすくなります。
他にも、全身の土台である足の骨格バランスが崩れてしまいますので、身体の様々な部分にトラブルが生じる恐れがあります。足が原因で腰痛や頭痛が起きてしまうことも実際にあります。
偏平足を防ぐためには、とにかく外で元気に走り回って遊ぶこと。これだけで偏平足になるリスクは減少します。靴を脱いで裸足で遊び回ることができればより良いです。おとなしくゲームやスマホをしていれば親としては安心かもしれません。ただし、子どもの健やかな成長を考えると全然、安心できません。しっかりと外遊びさせてあげてください。
幼児と大人・足の形はこんなに違う
幼児の足の骨組みは、大人とはプロポーションが違い、未発達な段階です。
教えてくれたのは…
一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA)研究員/
上級シューフィッター/幼児子ども専門シューフィッター 原田 繁 さん
シューフィッターの資格認定の傍ら、メディアや一般消費者の問い合わせ対応や講演活動を行う。ドラマ「陸王」ではカリスマシューフィッター村野尊彦役の市川右團次さんの演技指導を担当。3児のパパで、週末は良き(?)イクメン。