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気になる!どうなる? 小学校の英語教育|ともに育つ・育む

2020年、小学校の英語教育が本格スタートします。 気になっているママも多いかもしれません。 何が変わるの?早くから英語を学んだ方がいい? 小学校英語教育の専門家に伺いました。

小学校の英語教育、これからどうなるの?

小学校は2020年度から、中学校は2021年度から新学習指導要領が始まり、指導内容が変わります。現在は移行期間として新学習指導要領に沿った指導が段階的に行われています。小学校における英語の教科化のポイントは、

①小学校5、6年生で教科になり、外国語(多くは英語)活動は3、4年生に前倒しされる。英語に触れる時間数が大幅に増える。
②教科になると、成績が数値化・定量化される。
③4技能(「読む」「書く」「聞く」「話す」)のすべてを意識した学習が行われる

こうした背景には、グローバル化社会の進展による国際語としての英語習得への社会要請があります。文部科学省は2011年から、小学校~高等学校までの英語教育改革の一環として、小学校英語の教科化を進めてきました。2020年は東京オリンピック開催の年でもあり、こうした時代背景もまた英語教科化を推進する上での契機となったことは言うまでもありません。

現状と課題は?

小学校における英語教育を進める上では、「人」(教師)、「モノ」(教材・教具)、「金」(予算)、「情報」(指導事例や方法など)が必要です。例えば教材・教具に関しては、文部科学省や検定教科書会社により、指導要領に沿ったカリキュラムが確立され、各学校への提供が進んでいます。また、各地域の研修会や文部科学省のホームページなどを通じて、各地域に情報が共有されつつあります。文部科学省が予算を組んでいますが、まだまだ「人」の課題を解決するに十分な予算があるとは言えません。
英語指導が必要とされる以前の小学校教員は、英語指導を体系的に学んだことも英語指導の実践経験もありませんでした。外国語活動の実施以降、研修やその活動を通じて英語指導を経験してきましたが、外部からのALT※や外部の英語が堪能な地域人材の力に依存してきた部分が大きいといえます。今後もそうした人材の力を借りつつ、教員研修や大学の教職課程の充実・成果を待つといった状況が続くものと思われます。
※ALT=アシスタントランゲージティーチャー

小学生から英語を学ぶと、 日本はどう変わっていく?

すでに国際社会はグローバル化が進展しています。小学校から英語を学ぶことで、急激な変化が起こるということはないと思いますが、その教育や取り組みを通じて、幼少期からより開かれた世界への興味関心が育まれることが期待できます。幼少期の子どもは、真綿が水を吸うように新しいものを吸収することができます。新しい英語教育を受けた子どもが社会に出た時には、これまで以上に世界との距離が近くなるでしょう。

乳幼児のうちから英語にふれたほうがいい?

乳幼児の外国語教育には賛否両論がありますが、遊びや活動に英語を取り入れることは、言語習得上、望ましいあり方だと思います。教え込む英語教育は、英語嫌いをつくってしまう恐れもあるかもしれませんが、遊びの中で自然と英語の音や文字に触れることは、子どもの興味・関心を育むきっかけになります。保護者との日常のコミュニケーションが日本語である場合、それ以外の機会で英語に触れたからといって、日本語能力が損なわれることはまずありません。
大人になってから、ネイティブスピーカーと遜色ない英語力を身につける人も数多くいますが、特に英語の「音」の習得は、やはり幼少期の子どもの力は優れているように思います。英語教育に関心のあるご家庭は、英語の音声がついている絵本、映像(映画やアニメ)、歌などを通じて、英語の音に触れさせておくのがよいでしょう。音だけではなく身体を使いながら(例えば踊りながら)触れる方が、効果が高いと言われています。
いずれにせよ小学校の英語教育の主役は、子どもたち。私たち大人がまず、その土台をしっかりと構築していくことが大切だといえるでしょう。

外国語活動でも進む、ICTの活用

外国語活動等においてICTを活用している学校の割合

小学校の外国語活動でも、タブレットやパソコンなどのICTの利用が進んでいます。
※ICT=コンピュータやインターネットに関連する情報通信技術

教えてくれたのは… 

NPO法人 国際教育振興協会 英語教育推進委員会
言語として国際化教育の一環を担い、英語教育の普及と発展に寄与するため、2011年設立。オンラインで学ぶTeyl-JAPANをはじめとする教育プログラムや教材の開発・普及のほか、小中学校教員を対象とした研修会の企画・運営を行っている。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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