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子育ての常識今昔!|ともに育つ・育む

まみたんママたちの世代と 親御さんや祖父母の世代では、 子育ての常識は変わってきています。 戸惑いがちな「子育ての常識」について 保育学科教授の山田先生にお伺いしました。

「抱き癖」がつくから 抱っこはしないほうがいい?

子どもはなぜ「抱っこ」してほしいのでしょうか?体がしんどくて歩けないから?眠くて動けないから?それなら迷わず抱っこしてあげる必要があります。ただ甘えたいだけなら、ぎゅっと抱きしめてから一緒に歩くのもいいかもしれません。普段から一緒に散歩して、草花や虫を探してみるなど「歩くことは楽しい」という気持ちを育てるのもよいでしょう。体力がつくと抱っこをせがまないことも増えます。いずれにせよ、抱っこできるのは幼児期まで。抱っこが子どもに悪い影響を与えることはありません。その時期しかできない抱っこを楽しむという心構えでいくと、案外子どものほうから抱っこを嫌がったり、歩きたがったりするかもしれませんよ。

「添い乳」は危険?

「添い乳」は、ママも赤ちゃんも楽な姿勢だと思うので、ママがしんどい時はよいと思います。ただ、乳児期は窒息の心配があるので、赤ちゃんに覆いかぶさらない姿勢で行うことや、ママが添い乳をしながら眠ってしまわないよう、赤ちゃんが飲み終えたらベビーベッドに寝かせるなどの注意を払う必要はあります。

「3歳児神話」について。3歳までは母親の手で育てないとダメなの?

乳幼児にとって大切なことは、愛着関係を築くこと。一番近くにいる養育者(母親)が赤ちゃんの要求や発信に適切に応え、優しい笑顔と温かい関わりを通して、応答的に関わりながら、愛着関係を築いていきます。この愛着関係は、母親だけでなく特定の他者でも形成できることが、最近の研究でわかりました。ここで大切なのは「特定の」ということ。保育園の担任の先生など、いつも見守り適切に関わってくれる、安心できる人がいることで、子どもは新しい世界に自ら動き出すことができます。また1、2歳頃になると友達との関わりを楽しむ姿もみられます。保育園に預けることに後ろめたさを感じることはありません。子どもと一緒にいられる時に、関わりの質を高めることで、深いつながりを作ることができるのです。

トイレトレーニング(おむつはずれ)は早く始めたほうがいい?

子どものペースでよいと思いますが、いつまでも不快感がない紙おむつをしているのも良くありません。発達に応じてトレーニングパンツなどを使用してみて、子どもがおもらしをして気持ちがわるい、という経験をすることも必要です。大切なのは失敗を責めないこと。「気持ち悪かったね。次はがんばろうね」と前向きな声掛けをしてあげましょう。

断乳・卒乳は1歳までにするべき?

1歳で断乳・卒乳しても、10歳までおっぱいを吸っていても、精神的な発達に差異はないといわれています。大事なのは、子どもが「いつまでもおっぱいを吸っているのは恥ずかしい」とか、「もういらない」などと自分から気付いてやめること。しかし、ママが頻回授乳に疲れた時や、授乳がつらいと感じる時にやめることも決して悪くはありません。断乳・卒乳の時期は個人差があることなので、周りの声に左右されることなく、ママとお子さんが納得できるタイミングでよいでしょう。

母乳の方が栄養価が高い?ミルクは太りやすいの?

母乳とミルクでは、子どもの成長に関して差異がないという研究結果が出ています。母乳をあげることはスキンシップにもなるので、母乳が出る人は自分の体や経済的にも良いと思います。しかし、母乳が足りなくてもミルクで十分補えます。無理せず自分の体と子どもの状況に応じて合わせていけば大丈夫です。

大切なのは「常識」にとらわれずママが明るく穏やかでいること!

子育てに関して「絶対にこうでなければならない」ということはありません。思い込みに捉われず、子どもの成長を信じて、温かくゆっくりと関わることが大切です。また、ママが明るく穏やかでいることが子どもには良い影響を与えます。時にはお子さんをご主人やベビーシッターに預けて自分の時間を持ち、リフレッシュすることも大事ですね。

子育てママはどこで情報収集しているの?

妊娠・出産・0歳児の子育てに関する情報をどこから得ていますか?(複数回答可)

株式会社ベビーカレンダー「子育てにおけるSNS利用」に関する意識調査より作成

これって正しいの?と不安に思うことは、
信頼できる医師などの専門家に相談しよう

教えてくれたのは… 

四條畷学園短期大学 保育学科 教授 山田秀江(やまだ ひでみ) さん

幼稚園教諭、小学校教諭の経験を持ち、保育者を目指す学生に実践的な教育を行う。また保育所などで、子どもが生き生きと主体的に遊びに取り組む「プロジェクト型保育」の研究指導も行っている。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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