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少しの工夫で健やかに。子どもの睡眠時間|ともに育つ・育む

子どもの成長にとって大切な睡眠。 その特徴やお悩みの解決方法について、 乳幼児の睡眠について研究している専門家の先生にお話を伺いました。

Q.乳幼児の睡眠はどのように発達するの?

「おっぱいじゃないと寝てくれない」「夜中に頻繁に起きる」「寝つきが悪い」など、乳幼児の眠りについて悩んでいる方は多いと思います。まずは子どもの睡眠がどのように発達するのかを知ることから始めましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんには、「夜寝て、朝起きる」大人と同じような生活リズムはまだありません。3~4時間の睡眠を繰り返しながら、少しずつ生活リズムがつき、夜にまとまった睡眠をとることができるようになります。多くの保育園では昼食を食べたら2時間程度の午睡の時間がありますが、これは、「夜の睡眠」と「月齢に合わせた睡眠」で、生活リズムを調整しているのです。睡眠の発達には、脳の中の「体内時計」が深く関わっています。この体内時計は、24時間より少し長いリズムを刻んでいるため、実際の時間とずれが生じます。人間は朝の光を浴びることで、ずれをリセット(「同調」といいます)しているのですが、生まれてすぐの赤ちゃんはこの機能が未発達なのです。
そして「朝や昼は明るい=起きている時間、夜は暗くなって眠る時間」という環境を繰り返し経験する中で、少しずつ生活リズムが整っていきます。とはいえ、夜遅くまで働いているため、保育園へのお迎えが遅くなってしまう……というご家庭もあるでしょう。生活のペースは、家庭によって事情が違うので、睡眠時間や就寝時間を改善することはなかなか難しいかもしれません。しかし少しの見直しと工夫で、寝つきや睡眠の質を改善することができるのです。

Q.どうしたら 夜寝るようになる?

次の3つのポイントを見直してみましょう。

①部屋の明かりを見直す

現代の、特に日本の家屋は、明るすぎるようです。蛍光灯の光は明るく、テレビの画面は大きく、リビングルームには光があふれています。夕ご飯を食べたら、ダウンライトや間接照明にすることをお勧めします。子どもが寝る30分前には、仕事の手を止めて、子どもと向き合いましょう。テレビを消して、スマホはしまう。代わりに、子どもが好きな静かな遊びや絵本で気持ちを落ち着かせれば、「そろそろ寝る時間だな」と心も体も準備を始めることができます。

②早寝早起きの生活リズムをつくる

生後3ヶ月から小学校低学年までは、夜8時までに就寝するようにしましょう。仕事の都合で遅くなってしまうご家庭もあると思いますが、できるだけ一定の時間に就寝し、同じ時間に起きる習慣をつけましょう。毎日バラバラの時間に寝て起きていると、生活リズムが整わず、睡眠の質が悪くなってしまいます。朝はカーテンを開けて、太陽の光を浴びてリセットするようにしましょう。

③寝かしつけの方法を見直す

生活リズムも明るさも見直したのに、まだ寝てくれない、そんなときは、寝かしつけの習慣を見直してみましょう。子どもは、「安心感」を得ることで安らかな眠りにつくことができます。おっぱいや抱っこじゃないと寝てくれない子どもには、好きなぬいぐるみやタオルを持たせてあげましょう。また、抱っこをする代わりに添い寝をしながらマッサージをしたり、やさしくトントンしたりと、スキンシップをするのもおすすめです。

その他、室内の温度や湿度など、心地よく眠れる環境を整えるのは親の役割です。しかし、「子どもが寝てくれない」ことで、自分を評価したり、責めたりしないでください。子どもが寝なくても、ダメなママ・パパではありません。一人で抱え込まず、周囲の人に相談してみましょう。私たちの研究所でも保護者向けのセミナーを開催しており、全国で乳幼児睡眠アドバイザーが活動しています。ママとパパの気持ちが少しでも安らげるよう、情報を発信していきますので、ぜひHPを覗いてみてくださいね。

眠っているときのリズムの発達

子どもも大人も、一晩の間に「浅い眠り」と「深い眠り」を何度も繰り返しています。

教えてくれたのは… 

NPO法人赤ちゃんの眠り研究所 代表理事 
茨城キリスト教大学児童教育学科助教
清水 悦子 さん

理学療法士として病院や施設に勤務後、出産。娘の夜泣きとその改善体験をきっかけに保育士資格を取得し「夜泣き専門保育士」として活動を開始。著書に「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」(かんき出版)他。

赤ちゃんの眠り研究所トップページ - 赤ちゃんの眠り研究所

赤ちゃんの眠り研究所は、乳幼児の睡眠について、科学的根拠に基づいた、信頼のおける情報を提供する非営利任意団体です。
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この記事を書いた人

まみたん編集部

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