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ともに育つ・育む|家庭でできる子どもの運動能力向上

思い切り体を動かすことで、ストレス解消のほか体の健全な発育を促す効果が期待できます。 運動はちょっと苦手という子どもでも楽しめる方法について日本レクリエーション協会の植田尚史さんにお話を伺いました。

Q.運動の得意・不得意は親から影響する?

家庭の生活習慣によって、大いに影響を受けます。当会が全国で実施した調査では、日頃からよく運動をする家庭では子どもも運動をよくすることが明らかになっています。運動が得意な子というのは積極性を持ち、何事にも意欲的に取り組む傾向が強いというデータがあり、学力テストの結果と比較した調査によると、体力の高い学校の方がそうでない学校に比べて学力も高いという傾向があります。また、運動が苦手な子の特徴を調査したHurlock E.Bによると、運動が苦手な子には「劣等感」「他の子に対するねたみ」「社会的排そ(仲間外れ)」「身体的臆病」といった共通の傾向がみられるという調査結果もあります。

Free photo: Sports Day, Relay, Kindergarten - Free Image on Pixabay - 2802266 (9254)

Q.幼児期の運動の意義は?

近年、子どもの体力低下が問題になっていますが、その原因は保護者をはじめとする国民の意識の中で、学力と比べ外遊びやスポーツの重要性を軽視する傾向が進んだことにあると考えられます。また生活の利便化や生活様式の変化が日常生活における体を動かす機会の減少を招き、その結果として外遊びや運動遊びのための3間(時間、空間、仲間)が減少して、体力を高めにくい環境が形成されました。そんななか、今の60代は元気いっぱいで、趣味に旅行にとアクティブに人生を楽しんでいる人がたくさんいます。60代や親の世代が元気なのは、小さいときから体をよく動かして体力をつけてきたから。将来、子どもが元気な生活を送るためには幼児期から十分に体を動かして、少しでも高い体力レベルに引き上げておくことが大切です。

Q.子どもに運動の楽しさを知ってもらうには?

Free photo: Kindergarten, Sports Day - Free Image on Pixabay - 2802268 (9255)

子どもが元気に楽しく遊ぶためには、たっぷりと遊ぶ時間、遊ぶために適当な場所、一緒に遊ぶ仲間がいることが必要です。すなわち、「時間」「空間」「仲間」という「3つの間(ま)」が重要と言えます。この環境を整えていくとともに、ご家庭で取り組める最初の一歩としては次のようなことを心がけるとよいでしょう。①まずは保護者自身が運動やスポーツに親しむようにする②上手くできるように教えるのではなく、子どもが楽しんでできるように見守る③同じことばかりをさせないようにいろいろな運動遊びを体験させる、などしっかりサポートしてあげてください。

Q.楽しく運動能力を伸ばす遊びを教えて!

★0〜2歳頃
 寝返りをうつ、1人で立ち上がる、歩き出す、という初歩的な動きができるようになる段階。バランス感覚は未熟ですが、よちよちと動いて経験を積むうちに、安定感を増していきます。ほかにも、触れたり、掴んだり離したりと手の操作も上手になっていきます。
【おやこロオディオ】
遊び方は、親はうつぶせの状態で子どもを背中にしっかりつかまらせ、うつぶせの状態からそーっとハイハイの姿勢に。そして揺すって楽しみます。(子どもを落とさないように注意)笑顔で子どもの顔をのぞき込んだり、声を出したりして一緒に楽しみましょう。また仰向けで行うとママやパパにもいいエクササイズになります。

★3〜5歳頃
 1人で歩き回れるようになり、行動範囲が広がります。この時期の前半では身体的に未発達でできないこともありますが、遊びの中にいろいろな動きの要素を取り入れて、親子で一緒に動く楽しさを経験させましょう。
【グーパージャンプ】
遊び方は、地面に円を描いて連続両足とびで移動します。まずは円一列に挑戦し、グーとびから始めて、なれてきたらグーパーグーパーとんだり、円の組み合わせや大きさを変えたりしても面白いでしょう。ポイントは、やり方を教える時はボディランゲージを使ってわかりやすく。そしてできなくても叱らない、できたことをたくさん褒めてあげることが大切です。

Free photo: Kids, Toddler, Girls, Cute, Border - Free Image on Pixabay - 1675964 (9253)

運動遊びをやってみよう!

遊び方
❶ 2人組になり、じゃんけんをして勝った人は「人間役」、負けた人は「鏡役」に。
❷ 人間役の人は、その場で体を伸ばしたり、曲げたり、座ったり。
  鏡役の人は、その動きをマネします。
❸ 慣れてきたら、難易度をアップ。鏡役の人は、動作だけでなく表情もマネてみます。
❹ 一定の時間で役を交代。今度はキャラクターや動物など、レパートリーを増やしてみよう!

遊び方のコツ
人間役の人は、「もっと早く! 」「もっと大きく動かして! 」と声をかけてあげよう。
また『ジャンプの次はしゃがむ』のような反対の動きをして遊ぶのもおすすめ!

家族や友達と遊んでみよう!
ミラーストレッチ
向かい合って動きや表情を楽しくマネる遊び。
「人間役」は動き方をたくさんアレンジして、さまざまな動きをしてみよう。

教えてくれたのは・・・

公益財団法人 日本レクリエーション協会 
レクリエーション支援者育成部 マネージャー  植田 尚史さん

レクリエーション公認指導者の育成支援のほか、子どもの体力向上に関わる調査研究や事業を数多く手がけ、「ロープジャンプ」「アイーダアイダ」等の新しいプログラム開発では、テレビメディア等とタイアップして全国普及を推進。また、リオオリンピック・パラリンピックでは「TOKYO2020 JAPAN HOUSE」で、世界の方々にスポーツ・レクリエーション活動をプロデュースした。

公益財団法人 日本レクリエーション協会

日本レクリエーション協会は、レクリエーション運動を円滑に推進するため、8万人の公認指導者、都道府県レクリエーション協会、種目別加盟団体、領域別加盟団体とともに、下記の事業計画を遂行して参ります。
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この記事を書いた人

まみたん編集部

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