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ともに育つ・育む|子どもの花粉症

年々増えているといわれる子どもの花粉症。 子どもは自分で症状を上手く伝えることができず放っておくと、どんどん悪化してしまうことも…。 そこで、花粉症のサインや予防法について大阪はびきの医療センターの川島佳代子先生にお話を伺いました。

Q.子どもの 花粉症のサインは?

花粉症とは季節的に症状がでるアレルギー性鼻炎のことです。子どものアレルギー性鼻炎はダニなどが原因となる通年性のアレルギー性鼻炎が多いですが、スギなどの花粉によって症状が生じる季節性のアレルギー性鼻炎患者数も年々増加し、より低年齢で発症する傾向にあるといわれています。花粉症の症状において、大人と子どもでは大きく異なることはありませんが、子どもは自分で症状を訴えることが少なく、症状がひどくなってから大人が気づくことが多いです。症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻すすり、眼のかゆみなどがあります。症状だけで見分けがつかないことが多いですが、くしゃみの連発と鼻水が発作的にでること、また眼のかゆみが特徴的。また、鼻もかゆみがでますので、鼻をこする、眼をこするなど、子どもの出しているサインをしっかりとキャッチしてあげることが大切です。鼻を触りすぎて鼻血がでることもあるので注意してあげてください。

Q.子どもの花粉症は どう治療するの?

前述したように、大人とは大きく異なることはありませんが、子どもが花粉症を発症した場合、自然に治ることは少なく、その後は人生の長い年月において症状と付き合うことに。そこで、花粉症の治療としては①セルフケア ②薬の治療 が主となります。

セルフケア

セルフケアとしては、花粉症の原因である花粉を体内に取り入れないようにすることが大切です。できればマスク、メガネをすることが望ましいのですが、小さな子どもは嫌がることが多いかもしれません。まずは、花粉情報に注意して花粉の飛散の多い日には外出を控えること、自宅に帰った際は衣服に付いた花粉をはらうこと、家に帰ったら洗顔、うがい、鼻をかむように心がけてください。

薬の治療

薬の治療としては、鼻水、くしゃみを抑える抗ヒスタミン薬、鼻づまりをおさえる抗ロイコトリエン薬、小児にも使用できて安全性が高い鼻水、くしゃみ、鼻づまりを抑えるステロイドの点鼻薬があります。ただし、抗ヒスタミン薬は眠気が強い薬もあるので、どの薬が合うか医師と相談しましょう。また、重症の場合はシーズンの前に粘膜をレーザーで焼く方法もありますが、適応となる年齢は小学生高学年から。薬を飲んでも症状が強い場合は耳鼻咽喉科医に相談してみてください。
 そのほか、花粉症の症状を長期にわたって改善するアレルゲン免疫療法という治療法があります。これは花粉症の中でもスギ花粉症のみが対象となり、スギ花粉のエキスを少量ずつ体内に摂取していくことでスギ花粉に慣れていき、花粉症の時期の症状を抑える治療です。ただし、血液検査などでスギ花粉症と確実に診断された人のみで、3年から5年間の治療を必要とすること、アレルギーがある物質を摂取していくことで一時的にアレルギー反応が強く出る可能性があることを頭に入れておきましょう。現在は12歳以上の子どもから適応できますが、今後の適応は小学生でも投与可能となる予定です。興味がある方は子どもが適応かどうか、医師に相談してみましょう。

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Q.花粉症から守るために 親が気をつけるべきことは?

花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、お父さん、お母さんの遺伝的な要因と、花粉を浴びるなどの環境的な要因がミックスして発症します。一度発症すると治りにくい病気ですが、症状が軽い時から適切に対処することで重症になることを防ぐことができます。特に0~6歳の子どもは自分で症状を訴えることが難しいので、風邪でもないのに長く鼻がぐずぐずしている、鼻血が続いている、鼻をよくかいている、いびきをかいているなどの症状があれば、耳鼻咽喉科に一度受診することをおすすめします。

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教えてくれたのは… 

大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉科 主任部長
川島 佳代子 さん

徳島大学医学部卒。大阪第2警察病院(現 北大阪警察病院)耳鼻咽喉科副部長、箕面市立病院耳鼻咽喉科部長、国家公務員共済組合連合会 大手前病院 耳鼻咽喉科部長などを務めた後、2017年4月から現職。日本耳鼻咽喉科学会専門医指導医、日本アレルギー学会認定指導医。

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この記事を書いた人

まみたん編集部

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