ネット利用の注意点 |SNSやインターネットでサイバー犯罪やトラブルに巻き込まれないために ともに育つ・育む
SNSやインターネットは、今や生活に欠かせないコミュニケーションツール。 その一方で「サイバー犯罪」も急増中! 子育てママがトラブルに巻き込まれないために普段からできることは? 大阪府警察本部サイバー犯罪対策課の谷口敦也警部にお話を伺いました。
Q.サイバー犯罪って?
代表的なサイバー犯罪には、悪意ある第三者が利用者のIDやパスワードを使って利用者になりすましログインする「SNS乗っ取り」や、実在する企業になりすまし電子メールやSMS(電話番号で送信できるメール)を使い偽サイトに誘導する「フィッシング」があります。この2つは、いずれも「不正アクセス禁止法」違反という犯罪に該当します。
Q.ママが巻き込まれやすいトラブルと、気を付けるべきポイントは?
1.インターネット・ショッピング
通販サイトで多いトラブルは、代金を支払ったが商品が送られて来ないという、詐欺サイトによる「ネットショッピング詐欺」です。ブランド物の子ども服が普通では考えられないほど安い価格で販売されていたり、大手ベビー用品のショッピングサイトに似せたりしたものまで、さまざまです。詐欺サイトでの決済に使用したクレジットカード番号もその管理者に把握されていることから、身に覚えのない決済に使用されるなど、悪用されることもあります。
また最近では「至急!登録内容を確認してください」などと不安を煽ったり、配達業者の名前で「配達確認のお知らせ」などと、実在する企業をかたりメールを送ったりして、偽のサイトに誘導、IDやパスワードやクレジット情報を入力させ盗み出すフィッシングが急増しています。
◆詐欺サイトを判別する機能があるウイルス対策ソフトを利用し、最新の状態に更新する。
◆ブラウザなどのURL(アドレス)の先頭が「https」で始まっているか、鍵マークはついているか確認 (「http」のサイトでは通信が暗号化されていないため個人情報などは入力しない)
◆メールなどで送られてきた本文にあるリンク先URLからではなく、自分でお気に入り登録しているサイトからアクセスする。
◆「特定商取引に関する表記」が記載されているか、日本語がおかしいなどの不審な点がないか確認する。
◆「キャンペーンに当選した」などのメールが届いても、いつも使っているサイトか、詐欺サイトではないかと疑い、誘導されないようにする
2.SNS投稿
SNSで自分や子どもの写真・動画を投稿・共有するときは、自ら情報を流出させないことが重要。スマートフォンで撮影した写真などは設定により、撮影時の位置情報が自動的に記録され、撮影場所が特定されることがあります。最近はSNSにアップした際、自動的に位置情報が削除される場合が多いですが、それでも個人情報が漏れることがあります。例えば近所の公園で子どもと遊んでいる写真や入園式など複数の写真から生活圏を把握されることも。「今日から海外旅行」と投稿し帰宅したところ、空き巣に入られていたということもあります。リアルタイムな投稿は、内容と状況をよく考えないと取り返しがつかないことになりかねません。
◆各種SNSを利用する前に、設定がどうなっているかを確認する(公開範囲の設定、位置情報の公開設定、タグ付けの許可設定など)
◆Facebookでは「友達まで公開」、インスタでは「フォロワー以外未公開」を推奨、LINEは「タイムラインの公開範囲」を設定する
Q.楽しく安全に利用するために 大切なことは?
SNSやインターネットに一度出た情報は、回収不可能です。投稿した内容が未来永劫に渡って消えないことから、消えない入れ墨に例えられて、“デジタルタトゥー”と呼ばれています。自分自身が過去に使っていたSNSのアカウントが残ったままになっていないかも一度確認してみましょう。また子どもの写真を掲載する時には、例え閲覧範囲を限定していたとしても、どのような理由でインターネット空間に出るか分かりません。写真や記事の投稿をする時には、「一度立ち止まって、投稿内容が適切か、誰に読まれるかを考える」という習慣をつけてみては、いかがでしょうか。
正しく使えてる? SNSやインターネットに関わる法律・罰則を知ろう
人の名誉を傷つけるような内容の投稿をした | 刑法230条1項 名誉毀損罪(3年以下の懲役若しくは禁固または50万円以下の罰金) |
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脅かしてやろうと攻撃的な内容のメールを送った | 刑法222条 脅迫罪(2年以下の懲役又は30万円以下の罰金) | フェイクニュースの投稿(事実と異なる情報) | 刑法233条 偽計業務妨害罪(3年以下の懲役又は50万円以下の罰金) |
昨年に発生した熊本地震では、「地震で動物園からライオンが逃げ出した」という内容を、ツイッターで面白半分に投稿した男性が逮捕されるという事件も。内容をよく確認してから投稿・送信するようにしよう!
教えてくれたのは…
大阪府警察本部サイバー犯罪対策課
警部 谷口敦也 さん
サイバー犯罪の防犯啓発や初動対応、事件捜査を行う大阪府警察本部サイバー犯罪対策課に勤務。「安全なサイバー空間」の実現に向け、自治体や関係機関等と連携し様々な広報啓発活動や、府下の小学校でボランティア大学生によるサイバー防犯教室の実施を主に担当している。