子どもの肌の乾燥対策|いつも健やかスキンケア ともに育つ・育む
子どもの肌はいつもスベスベというイメージがあるけれど、実は大人よりも乾燥肌になりやすく、きめ細やかなスキンケアが重要。 何もしないとかさかさに…肌トラブルを防ぐためのポイントは? 元保育園園長で看護師の竹内節子さんにお聞きしました。
Q.なぜ、子どもは乾燥肌になりやすいの?
子どもの皮膚は、大人より薄く未成熟なため、水分をためておく力がまだまだ足りません。新生児から生後12ヶ月の赤ちゃんの表皮の厚さは成人の1/10しかなく、20代の女性と比べると半分以下しか皮脂が無い状態です。そのため、少しの刺激や季節の変わり目などにも大人と比べて敏感で、大人より子どもの方が乾燥肌になりやすいのです。
空気が乾燥する冬だけではなく、年間を通して乾燥肌に気をつける必要があります。乳幼児期の子どもは、自分で気をつけることが難しいため、皮膚を保湿・保護し、こまめな水分補給ができるよう、大人が配慮することが重要です。
Q.肌を乾燥から守る方法を教えて下さい。
《お風呂で》
①まず皮膚の汚れを洗い流す。皮脂に付着したほこり・土・汗などが刺激となり、かゆみが出ることがあるためです。
②石けんやボディーシャンプーは、そのままではなく必ず泡立ててから身体につけること。皮膚の表面には皮脂があり、これがバリアとなって皮膚を保護する役目を果たしています。直接身体につけると子どもには 刺激が強く、必要な皮脂まで取ってしまうことになります。
③タオルやスポンジではなく、大人の手の指の腹を使って洗うようにしましょう。ごしごし洗うと、皮膚の角層まで傷つけてしまい、乾燥しやすくなってしまいます。
《お風呂から上がったら》
①お風呂上がりには必ず、ワセリンか保湿クリームを塗ります(お風呂上り5分以内に塗るのが良い)。入浴 後、タオルで水分をよく拭き取り、皮膚が少し湿っている状態で塗るのが最も効果的です。
②保湿剤は、テカるほど、あるいはティッシュペーパーがくっつくくらい るようにしましょう。
③肌着を着用する。直接肌につくので、綿製品が望ましいでしょう。毎日洗濯し、きちんと乾いたものを着せます。
Q.そのほか、子どものスキンケアのポイントを教えて!
●体もお尻もお口まわりも、拭くときに絶対こすらない
●おむつかぶれは、おしっこやうんちが肌を刺激して起きる炎症。付着したアンモニアをきれいに落としてあげることが、薬を塗るより重要。排 便後はすぐにおしりを洗うこと。シャワーで汚れを洗い流し、洗ったあとはタオルで軽く押さえるように水気を取り、必要時は薬を塗ります。
●子どもの爪はいつもこまめに切って、角が無いようにしましょう。かゆみで掻いた時に傷を作らないようにするためです。
●薬を塗ってあげる大人の手のひら が、肌荒れでガサガサしているのも、 子どもの皮膚には刺激になってし まうので気を付けましょう。
●大人の化粧品は子どもと兼用はし ないこと。また、ワセリンでかぶれる 子もいるので注意が必要です。
肌トラブルが気になるお子さんは、自己判断ではなく、必ず小児科や皮膚科など、かかりつけ医を受診することが原則です。子どもの肌を守るのは大人の責任。毎日を健やかに過ごせるよう、適切なスキンケアを心がけていきたいですね。
肌の状態をこまめにチェックしてあげよう
アトピー性皮膚炎 | 皮膚バリアー機能の異常、発汗異常、ストレスなどの非アレルギー性と、食物・ダニなどが原因のアレルギー性がある。 |
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あせも | 汗線が詰まることが原因。赤いあせもは、炎症やかゆみを伴う。 |
虫刺され | 蚊や、スズメバチ、ブヨ、アリなど。 スズメバチはアナフィラキシーを起こすこともあるのですぐ受診すること。 |
とびひ | かき壊しや傷などから、黄色ブドウ球菌が感染し水泡が飛び火のように広がる。 強いかゆみを伴う。すぐ受診を。 |
教えてくれたのは…
看護師 竹内 節子 さん
元公立保育園園長。大学病院の小児科病棟での臨床経験を経て、公立保育園の看護師・園長に従事。40年近く経た現在も、株式会社グローバルキッズ・保健衛生担当顧問として保育現場をサポート。子ども達の日々の健康と安全に寄り添うほか、保育士養成校にて講師も務めている。