Myエリア設定

保存

「子ども乗せ自転車」の安全な利用方法 不注意の事故をなくそう|ともに育つ・育む

子育てママにはとても便利な「子ども乗せ自転車」ですが、ケガや事故も増えているようです。 ヒヤッとしたことがある人も多いのでは?  そこで安全な利用方法について、警察庁の交通安全教育事業の調査研究なども行っている自転車安全教育のプロに聞きました!

Q.子ども乗せ自転車の特徴、事故の傾向は?

子ども乗せ自転車は、普通自転車と違い、自転車自体が親子の重量に耐えられるよう、強度を増して作られています。また、最近は電動アシスト自転車を利用される方も多く、その車重は自転車+保護者+子ども+荷物=100㎏超にもなります。いくら低重心設計の自転車であっても、一度バランスを崩すと女性の腕力では支えきれず、転倒につながるケースが多く報告されています。停車中も同様で、不意な子どもの動きで転倒するケースが多く見受けられます。幼児用座席からの転落なども多く報告されています。

Q.安全チェックポイントを教えて!

□子どもを乗せたまま、その場を離れたり、ママ友と立ち話をしたりすることがある。
転落・転倒の危険性があります。自転車から離れない、離さないが原則です。

□子どもを乗せてから、自分が身支度をしている。
まず自分が身支度し、子どもを乗せたら、すぐに自転車にまたがるようにしましょう。

□路面が平らかどうか、確認していない。
道路は、水はけを良くするため多少傾斜がついています。自転車置き場なども平らとは言い切れません。自転車はなるべく平坦な場所に駐輪することも重要です。

□子ども乗せ自転車で走行しながら「ながらスマホ」をしている。
子ども乗せ自転車に限らず、「ながらスマホ」は絶対にダメです。

□子どもを前だっこにして乗っている。
人は主に前方もしくは斜め前に転倒します。親の体重も加わった状態になるので赤ちゃんは大けがを負ってしまいます。

□幼児用座席の「足置き」を使って、よじ登らせている。
「足置き」はあくまで足を置く台。乗るためのステップではありません。壊れた状態で使用し、子どもの足を後輪に挟んでしまうケースもあります。

□嫌がるので、ヘルメットやベルトをしないで乗せることがある。
転落防止にはハーネスベルトを、頭部保護にはヘルメットが必要。「嫌がるから」は子どものためになりません。

□子どもが2人いるが、順番を考えずに乗せている。
バランスを取りやすいよう、上のお子さんを安定している後部座席、下のお子さんを前座席に乗せます。降ろすときは、前座席から。

□スピード等に注意!
そのほか、歩道を電動アシスト付き子ども乗せ自転車で疾走したり、信号が青になって急発進したりなど、危険な場面も多く見受けられます。100㎏超の物体が時速15~25㎞で歩行者に衝突すれば、死亡事故にもつながりかねません。歩道を通行する際は、「歩行者優先で、車道寄りを徐行」を守りましょう。



Q.子ども乗せ自転車を選ぶポイントは?

フレーム強度やブレーキ性能基準などの適合を示す「BAAマーク(安全・環境基準適合車)」や、幼児2人を乗せても十分な強度・操作性・安全性などの要件を満たした「幼児2人同乗基準適合車シール※」等が貼付されている自転車を選びましょう。また、子ども乗せ自転車に乗るのは、自分だけではなく、子どもも一緒。乗りやすさはもちろんですが、バランスを崩した際に支えきれるかなども考えておきたいところです。自分に合った大きさは重要です。電動アシスト自転車は車体が重く、バランスを崩した際に注意が必要です。普通自転車とは違いますので、必ず慣らし運転を行い、発進時の加速、曲がる時の感覚などを十分につかんでから乗るようにしましょう。子ども乗せ自転車をもっと快適に利用するために、ルールをきちんと守って、安全運転を心掛けてくださいね。
※幅広スタンド・低重心・ハンドルロックがついています。

幼児用座席付自転車の子どもの事故

※幼児用座席付自転車の事故件数(平成23~28年/東京消防庁救急搬送データより)

幼児用座席付自転車に乗った子どもの事故は、4月から7月までの救急搬送数が増加傾向。年齢別にみると1、2歳が多くなっています。

教えてくれたのは… 

(一般財団法人)日本交通安全教育普及協会 普及事業部次長  彦坂 誠(ひこさかまこと)さん

内閣府の参加・体験・実践型交通安全教育事業の企画運営・講師をはじめとし、警察庁の交通安全教育事業や調査研究に従事。TV・雑誌等の監修も行っている。

14 件

この記事を書いた人

まみたん編集部

Recommended